Go to contents

行過ぎたネット上の「身元ばらし」 IT韓国の現状

行過ぎたネット上の「身元ばらし」 IT韓国の現状

Posted October. 21, 2010 08:36,   

한국어

30代女性教師A氏(35)が、中学生の教え子、B君(15)と性的関係を交わした事件の報道後、彼らの個人情報や写真をインターネットに公開するなど、「身元公開」が度を超え、議論が呼んでいる。事件早々、A氏の身元情報公開に力を入れていたネットユーザーらは、同事件とは「事実上」関係のないA氏の家族らの身元まで公開している。

A氏の身元情報はすでに、事件が初めて報道された18日午前、教え子らと一緒に撮った写真まで公開された。同日午前、ネットユーザーらは、記事の情報を基に、初めて身元公開に乗り出した。「ソウル江西区(カンソグ)」や「中学校」、「35歳の女性教師」などいくつかのキーワードから始め、ネットユーザーらは同日正午ごろ、A氏のブログを見つけ、公開した。A氏がブログに掲載した写真や個人的な書き込みが、ブログの住所と共に瞬く間に、インターネット上で広がった。学校名まで公開され、1時間後の同日午後1時ごろ、H中学のホームページの訪問者数が爆発的に増加し、ダウンした。ネットユーザーらは、「これまで公開された身元リスト」などをまとめて掲載するなど、身元公開に協力する様子まで見せている。

さらに、20日午前は、主要ポータルサイトの人気検索語リストに、一人の弁護士の実名が出た。「A氏の夫は弁護士」といううわさがオンライン上で広まり、特定弁護士の名前が、ネットユーザーらによって取りざたされた。同弁護士が本当にA氏の夫であるかどうかは、確認されていない。一人のネットユーザーらは同日、「A氏が、夫や子供と共に撮ったものだ」と主張し、家族写真を掲載した。このネットユーザーは、「A氏は、小学校や幼稚園に通っている3人の子供を抱えている」など、確認されていない情報を広め、「女性教師との性的関係」の事件を増幅させた。

ネットユーザーらが今回の事件に、「特に」関心を示しているのは、A氏が「女」、「人妻」、「相手は教え子の男子生徒」ということへの、大衆の末しょう的な覗き見が反映されたものだという指摘も出ている。もし、男性教師が女子中学生と不適切な関係を持ったとしても、これほど騒がすことはないだろうという女性界からの抗議もある。

また、相互に合意した性的関係ではあるが、男子生徒が15歳以上なので、刑事処罰対象ではないということへの、ネットユーザーらの個人的な裁きの性格の強いという。「ネットユーザー捜査隊」に引っかかれば、一個人の名誉や魂まで瞬く間に荒廃されかねないというのが、情報技術(IT)大国韓国の現状だ。

延世(ヨンセ)大学心理学部の黄相旻(ファン・サンミン)教授は、「一般的に勘違いしていることの一つに、社会通念に反する出来事に対しては、誰もが個人的なリンチを加えても問題ないと思うことだ」とし、「プライバシーや名誉毀損などを、正義行動と勘違いすることだ」と説明した。



jmpark@donga.com、ス