［社説］隠れているフィオリーナを探して

米カリフォルニア州上院議員に出馬したカーリー・フィオリーナは、ヒューレット・パッカード（ＨＰ）の最高経営者（ＣＥＯ）出身だ。シリコンバレーでは珍しくエンジニアではない人文学徒だったが、「技術も分からない女」という偏見を乗り切り０１年、コンパックを買収し、ＨＰを世界的な情報通信（ＩＴ）企業に成長させた。自ら子どもが産めない身だったが、夫が連れてきた２人の娘を立派に育てた。ナンシー・ペロシ米下院議長は５人の子どもを育てた後、末娘の大学進学を控え、政界に入門した。米共和党副大統領候補を務めたサラ・ペイリン元アラスカ州知事も、赤ん坊を含め５人の子どもの母親だ。

韓国では仕事と家庭を両立させながら最高位職についた女性の物語が、現実では可能でないように思われる。本紙が大韓商工会議所と共同で、１００大企業の女性人材活用現況を調べた結果、女性勤労者は２２．９％であることに対し、女性管理者は７．１％、女性役員は１．１％にとどまった。昨年、女性の大学進学率が初めて男性を上回り、女性就業者が増えているにも関わらず、３０代に妊娠と出産の壁を乗り越えきれず、経歴が断絶してしまうことによる。働き盛りの年頃に仕事を止め、経綸とリーダーシップが求められる高位職への進出が難しくなる。

世界経済フォーラム（ＷＥＦ）が世界１３４カ国を対象に調べ、１２日発表した「１０年度性格差指数（ＧＧＩ）」で韓国は１０４位となり、昨年（１１８位）に続き１００位圏内に入れなかった。女性の経済活動参加（１１１位）、立法者と高位官僚・管理職（１１１位）と政治的権限（８６位）の点数が特に低かった。特に、高学歴女性の経済活動参加率の低い現象は、国の競争力の観点からも、深刻に受け止めなければならない。金聖珠（キム・ソンジュ）ソンジュＤ＆Ｄ会長も今年７月、全国経済人連合会フォーラムで、「高級ホテルで昼食の時間に、おしゃべりをしている上流社会の女性を見ていると、胸がつぶれる。大学教育を受けて留学までした女性が働かなかったら国の未来がない」と警告した。

世界的なコンサルティング会社のマッキンゼーは報告書で、韓国が先進国入りを果たすためには、女性人材の活用しか方法がないと指摘した。最も重要な消費者として浮上した女性を理解し、２１世紀の変化した環境に適合した新しい組織文化を作るためには、女性人材の存在が欠かせないということだ。高位職の女性は、男性中心の組織文化を家庭親和的に変えることができ、意思決定の過程で、女性の見方を反映して安全と健康を重視し、リスクを最小限に止めることができる。女性人材の活用度を高めるためには、育児支援システムと共に、経歴が断絶した女性が労働市場に再度進入できるよう、柔軟な勤務体制を導入する必要がある。