ソウル行政裁判所・行政5部(李ジンマン部長)は2日、「左派寄り記述」として議論を呼んだ金星(クムソン)出版社の近現代史教科書の共同著者である金ハンジョン韓国教員大学教授ら3人が教育科学技術部長官を相手取って起こした教科書修正命令取り消し請求訴訟で、金教授らに勝訴判決が下された。
裁判部は、「教科部(教育科学技術部)は教科書修正命令を出す権利があるが、『学生たちが先入見を持つ恐れがある』などと教育部が掲げた理由は2002年の検定合格決定を覆して新たに判断したもので、新しく検定したものだ」とし、「検定教科書は教科用図書審議委員会の審議を経なければならないのだが、この手続きを経ていないため手続き上欠陥がある」と明らかにした。
08年11月、教科部が「左派寄り」という理由で、教科書の修正命令を下すと、金星出版社は著者の同意を得ず、内容を修正して印刷・配布した。これに対して、著者たちは行政訴訟とともに出版社などを相手取って著作人格権侵害禁止訴訟を出した。
裁判所は先月26日、著作人格権侵害禁止訴訟の控訴審では「出版社を相手に著作人格権侵害責任を問うことができない」として著者たちに敗訴判決を下した経緯がある。