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[社説]国連ばかり見ているな、対北朝鮮の経済戦を展開すべき時だ

[社説]国連ばかり見ているな、対北朝鮮の経済戦を展開すべき時だ

Posted July. 10, 2010 08:19,   

国連安全保障理事会が9日に採択した海軍哨戒艦「天安(チョンアン)」沈没事件関連の議長声明は、北朝鮮の深刻な挑発に照らして、非常に残念だ。安保理は、天安艦沈没事件105日、安保理提出35日後に声明を採択したが、攻撃の主体を明示しなかった。安保理は、韓国の軍民調査団の調査結果に言及し、天安艦攻撃を糾弾して、文脈上で北朝鮮を指摘する便法を使った。天安艦事件は、北朝鮮が韓国の領海を侵犯し、哨戒艦を2つに切断し、46人の将兵が亡くなった挑発であることをよく知る安保理が、攻撃の主体を明示しないのは実に残念だ。

安保理声明は、わずか2週間前の先月26日にG8サミットが採択した声明にも及ばない。当時、首脳たちは、天安艦の攻撃を非難し、「北朝鮮に、韓国に対するいかなる攻撃や敵対的な威嚇も慎むよう要求する」として、北朝鮮を名指しした。安保理声明は、政治的取り引きの産物であり、世界の平和維持を困難にする悪い先例になるだろう。中国が、北朝鮮の名指しに反対し、そのほかの加盟国が、イランの核開発や中東事態など、別の懸案に対する利害関係のために妥協したことで、不十分な議長声明となった。

安保理は、天安艦の攻撃責任者に対して、「適切かつ平和的な措置」を取ることを求める内容を声明に明示した。常任理事国5ヵ国をはじめとする安保理15ヵ国が、後になって責任を果たすなら、実質的な対北朝鮮制裁に乗り出さなければならない。安保理が、国連から与えられた国際平和と安全維持の責任を疎かにしてはならない。中国も、天安艦攻撃の糾弾に賛成したのなら、北朝鮮をかばったり、韓米連合演習を非難することを慎むべきだ。

振り返れば、国内の状況も、安保理議論に否定的な影響を及ぼした。国会は、天安艦の悲劇が発生して95日後に、大半の野党が反対・不参加の中、対北朝鮮決議案を採択した。参与連帯は突然、安保理議長に天安艦の調査結果に疑問を提起する文書を発送した。

もはや、李明博(イ・ミョンバク)大統領が5月に約束した対応措置を一つ一つ内容をもって実践しなければならない。北朝鮮が再び挑発すれば、徹底した報復が伴うことを示すためにも、韓米合同演習は予定通り実施しなければならない。北朝鮮との貿易と交流の中断や、対北朝鮮心理戦の再開をはじめとする対応措置を支障なく実行してこそ、北朝鮮の妄動のクセを直すことができる。政府はさらに、北朝鮮支配層を実質的に圧迫し、体制変化まで引き出すことができる高度な経済戦を展開することを望む。北朝鮮の民主化に向けた戦略的行動にも乗り出さなければならない。