Go to contents

[社説]自治体だからといって韓国のアイデンティティ揺さぶる自由はない

[社説]自治体だからといって韓国のアイデンティティ揺さぶる自由はない

Posted July. 03, 2010 08:48,   

한국어

最近の韓国社会の様相を見ると、大韓民国の憲法的価値とアイデンティティが果たして守られているのか、疑問を感じる。国全体が過度な自由放任主義と理念過剰に流れている感じだ。むろん、国民の自由と権利は最大限保障するのが自由民主主義の大原則だ。しかし、無制限の自由と権利は、他人の自由と権利を侵害し、国家の基本アイデンティティまで揺さぶる恐れがある。

国会が、海軍哨戒艦「天安(チョンアン)」事件に対する対北朝鮮決議案を与党の「1/2決議案」にしたことは、国家安保次元のアイデンティティに疑念を抱かせる。米国の上下院が所属政党と保守進歩の理念指向を離れ、ほぼ全員一致で対北朝鮮決議案を可決したこととは対照的だ。国家と国民の生存がかかった安保問題だけは、理念を離れて大韓民国の国会議員に戻るのが正常だろう。

一部の地方自治団体は、まるで独立共和国にでもなったかのように、軌道を離脱している。民主党所属の宋永吉(ソン・ヨンギル)仁川(インチョン)市長は、政府が対北朝鮮交流の中断を撤回しない場合、市の予算で独自の南北交流事業を行うと宣言した。野党の候補一本化で当選した忠清南道(チュンチョンナムド)(安熙正知事)と慶尚南道(キョンサンナムド)(金斗官知事)も、錦江(クムガン)と洛東江(ナクトンガン)事業を中止すると宣言した。これらの地方自治体は、野党民主党のほかに、主に左派の民主労働党、国民参与党、創造韓国党、市民団体関係者らで「共同地方政府」を構成し、政府の政策を揺さぶっている。地方自治体がまるで治外法権を持つかのように行動することは、国家のアイデンティティを傷つけることだ。

国会が先月末までに「集会および示威に関する法律」(集示法)を改正できず、全面許可された夜間集会デモの問題も、新しい試験台に上った。これまで夜間集会を禁止したのは、日が落ちればデモ隊と警察がいずれも興奮しやすく、暴力が発生する可能性が高まり、一般市民の安眠など平穏な生活を侵害する可能性があるためだ。初日の1日、ソウル都心で4大河川事業反対夜間集会を行った環境運動連合のある幹部は、「くそったれ集示法」云々し、集示法を軽視した。集示法は、「公共の安寧秩序」との調和を目的とする(第1条)法だ。集会デモである集団の意見を表現することはできるが、それを力で貫徹しようとすれば、社会の秩序は維持されない。

天安艦事件でも、親北・従北勢力の跋扈(ばっこ)がどれほど根強く影響を及ぼしているか確認された。政府は、大韓民国のアイデンティティを守護する重大な責務を放棄してはならない。国民も警戒心を持ち、大韓民国のアイデンティティを守ることに積極的に参加しなければならない。