21日に開かれた国会政務委員会で、民主党の辛建(シン・グォン)、李成男(イ・ソンナム)議員は、「首相室の公職倫理支援館室(支援館室)」で、李明博(イ・ミョンバク)大統領を誹謗する動画を個人のブログに載せた市民を内部調査し、不法に事務室を家宅捜索した」と主張した。両議員は、「支援館室所属の職員が、(ブログを運営した)金氏の事務室に入り、会計関連資料を分析し、検察に手渡した。支援館室が、一国民、一個人の事務室を家宅捜索する権限があるのか」と問い詰めた。これに対し、権泰信(クォン・テシン)首相室長は、「民間人について調査したのは間違いだ」と釈明した。
◆ろうそくデモ直後の08年7月に立ち上げられた同機構は、高位公務員に対する監察機構で、「行政監察官」に当たる。機構の首長を初めとする高位公務員が、公職に就く者として不適切に振舞ってはいないか監視し、調査するところだ。昨夏、泰光(テグラン)実業の前会長の朴淵次(パク・ヨンチャ)被告が所有していた慶尚南道金海市(キョンサンナムド・キムヘシ)の鼎山(チョンサン)カントリークラブで、某企業からゴルフ接待を受けた慶尚南道地方警察庁長、師団長、国家情報院の慶尚南道支部長、昌原(チャンウォン)市長などを摘発し、該当機関に厳しい懲戒を要求したりもした。ところが、公務員ではない民間人を対象に召還したり、捜査するのは違法だ。
◆支援館室の責任者が、大統領府に活動内容を報告してきたという疑惑も持ちかけられている。辛建議員は、「責任者である李仁圭(イ・インギュ)支援官(2級)が、大統領府の李泳鎬(イ・ヨンホ)大統領雇用労使秘書官に報告してきた事実を確認した」と述べた。あいにくにも、二人とも李明博大統領の故郷である浦項(ポハン)出身だ。しかし、肝心の直属上司の首相室の上級者たちには報告していないともいわれている。だとすれば、彼らは公式の報告ラインより「浦項出身のコネ」をより重視していたことになる。
◆首相室は、国会で事件が浮上した3日後である24日、李仁圭公職倫理支援官を待機発令したが、その後は何の釈明も、措置もない。待機発令当時、「物議を醸して職位解除する」と、簡単に明らかにしただけだ。公務員の不正を調査する監察機構が、なぜ民間人に対して調査したのか疑念が深まる。首相室が事実を隠蔽しようとすればするほど、疑惑は深まる一方だ。今からでも、事件の真相を明らかにした上で、謝罪することは謝罪し、懲戒処分すべきものは懲戒するのが、波紋を収める最善の道だ。
朴永均(パク・ヨンギュン)論説委員 parkyk@donga.com