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[社説]行政省庁の分割に名を残した議員ら

[社説]行政省庁の分割に名を残した議員ら

Posted June. 30, 2010 08:41,   

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世宗(セジョン)市修正案が29日、国会本会議の採決に付され、否決されてしまった。国会議員291人のうち、275人が出席し、105人が賛成、164人が反対、6人が棄権した。野党の民主党や自由先進党は、ほぼすべての議員が反対し、与党ハンナラ党は168人のうち、102人が賛成した。これで、10ヵ月間に渡り、論議を繰り広げてきた世宗市修正案は、何の結実もなく、歴史の記録にだけその痕跡を残すことになった。

我々は、修正案否決の方向に結論を下した国会と国会議員の決定を尊重する。しかし、その結果に関係なく、これまで何度も指摘したように、行政省庁の分割を骨子とした世宗市原案が誤ったものであるという考えに変わりはない。そのため、これを正すため、作成された世宗市修正案を死蔵させた国会の選択もまた誤ったものだと考える。修正案に賛成した議員と同様に反対に名を連ねた国会議員は、政治的、歴史的責任を負わなければならないだろう。一部からは、本会議採決をする必要はないという反対論もあったが、このように重要な法案に議員の採決記録を残さないことは、責任政治とは程遠い。

首相室と経済省庁など9省2処2庁を世宗市に移転する世宗市原案は、忠清(チュンチョン)圏の票を狙った政略の産物にすぎなかった。法的、政治的な紆余曲折を経て、行政首都移転から行政省庁分割に、外見だけを変えたのが、まさに世宗市原案だ。政治家は、政治的な利害打算が重要かも知れないが、事実上の首都分割にともなう国家的損失と苦痛は、そのまま国民の負担として残ることになった。地域主義にはいいかもしれないが、「世宗市事態」でみられるように、結局は国家的、地域的に途方もない損失と傷を残すだけだ。地域の均衡発展の面でも、行政省庁中心の都市を建設する原案が何の役に立つだろうか。

世界的にも前例がない。米国の1州、中国の1省ほどの狭い国土に、大統領がいる首都と首相がいる行政都市が別に存在するということは、非能率の極みだ。長官らが、議会や大統領府の会議に出席するために、ソウル事務所にいる日が多くなり、世宗市本部の長官室は空室同然になるだろう。もはや、原案どおりに進むしかないなら、行政省庁の分割による混乱と浪費を最小化する案を講じなければならない。