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[社説]金正日集団への報復、実効性が必要

[社説]金正日集団への報復、実効性が必要

Posted May. 25, 2010 08:04,   

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李明博(イ・ミョンバク)大統領は24日、北朝鮮による海軍哨戒艦「天安(チョナン)」沈没を「大韓民国を攻撃した軍事挑発」と位置づけ、北朝鮮の追加軍事挑発に直ちに武力対応することを宣言し、対北朝鮮基調の大転換を国内外に明確にした。天安艦沈没は、大韓民国に対する攻撃だけでなく、同族に対する集団殺人行為だ。李大統領が明らかにした対応措置は正当であり、その責任は全面的に国連憲章と休戦協定、南北基本合意を違反した北朝鮮にある。

李大統領は、「北朝鮮が大韓民国と国際社会に謝罪し、今回の事件関係者を直ちに処罰すること」を求めた。北朝鮮は、国際社会が共感する調査結果を「韓国政府の自作自演」と主張する時ではない。北朝鮮は、「私たちの究極の目標は、軍事的な対決ではなく、韓半島の安定と平和だ」という大統領の言葉を傾聴すべきだ。

しかし、大統領の談話は、国民の天安艦の傷を癒すには、不十分だったというのが正直なところだ。3月26日金曜日の夜、天安艦被爆の衝撃から2ヵ月間の怒りを考えれば、約2800字にすぎない談話文は適正ではない。天安艦の加害主体として「北朝鮮当局」と「北朝鮮政権」だけを取り上げ、金正日(キム・ジョンイル)総書記を名指ししなかったことはもどかしい。北朝鮮は、金正日総書記の指示なしには一発の銃も撃つことができない国だ。にもかかわらず、金正日総書記を取り上げないのは、戦略的な選択だと信じたい。

談話発表場所に、戦争記念館を選んだことは意味がある。記念館の回廊には、韓国戦争とベトナム戦争、北朝鮮武装共産軍侵入事件の時に戦死した国軍と警察、国連軍など約21万人の名前が刻まれている。多くの無名勇士の銘碑もある。天安艦46勇士の名前も最近刻まれ、戦争記念館は、愛国戦士の血の沸く魂が生きている所だ。金総書記は、ここで悲壮な心境と決断を国民に明らかにした李大統領の姿をはっきり記憶すべきだろう。

大統領の指摘のように、韓半島情勢は重大な転換局面を迎えている。従来の南北関係に大きな変化が避けられない時だ。天安艦沈没が、大韓民国を攻撃した北朝鮮の軍事挑発であることが明白になった以上、5000万の国民の貴い生命と財産、国家を守護するため、非常な覚悟で行動に出ざるをえない。左派政権が太陽政策という美名の下、誤って飼い慣らされた北朝鮮を抜本的に正さなければならない時だ。

武力挑発をまたすれば、直ちに自衛権を発動するということは、国連憲章も認める当然の権利だ。1発やられれば2、3発やり返し、奇襲攻撃をすれば発進基地を攻撃するだろう。24日から、韓国軍は前方地域に対し、北朝鮮向けの宣伝放送を6年ぶりに再開した。北朝鮮軍と住民が、拡声器の放送と大型電光掲示板で、金正日体制の実体をさらに正確に知ることになる。北朝鮮社会が大きく揺れることは間違いない。米第7艦隊の西海(ソヘ・黄海)上の前進配置と韓米連合対潜演習、北朝鮮商船の韓国海域通過の不許可、国連決議案1874号と1718号による北朝鮮船舶の検査強化も耐え難いだろう。開城(ケソン)工業団地を除く南北交易と交流中断は、金総書記の「統治資金」をつかむ措置だ。

大統領の談話は、これまで言葉だけだった「断固たる対応」が、行動に移されたことを意味する。報復は実効性が命だ。緻密な計画を立てなければならず、一糸不乱に動かなければならない。関連省庁と軍、国家情報機関の協力はもとより、これを総合管理し、統制するシステムづくりをしなければならない。李大統領の意志とリーダーシップが重要だ。

行動には危険が伴う。対北朝鮮措置で、北朝鮮は韓国の意志を予想したり、阻止するための行動を敢行することもできる。北朝鮮は24日、「拡声器の撃破」や「実際の行動による対応」で脅したように、実際に武力挑発や冒険をするかもしれない。韓国の内部分裂を狙った心理戦やサイバーテロの可能性も排除できず、局地戦の可能性まで念頭に置かなければならない。

国際社会の支援も必要だ。天安艦の調査結果を発表後、21カ国と主要国際機構が韓国を支持する声明を出したことは鼓舞的だ。世界のあらゆる国家と国際機構が、北朝鮮への糾弾と制裁に参加に向け、外交戦を展開する必要がある。国連安保理レベルの追加制裁を引き出すには、中国とロシアの協力が必要であり、外交チャネルを総動員し、両国を必ず説得しなければならない。

天安艦沈没は、北朝鮮の奇襲攻撃だったという点で、防衛に限界があった。政府と軍は、痛恨の教訓としなければならない。再び北朝鮮の詭計や逆襲に遭った場合、李明博政府は「安保無能政府」という汚名を永遠に拭うことはできない。