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[オピニオン]統一教育

Posted May. 11, 2010 07:10,   

統一を悲願する国民的な童謡「我々の願い」は、1947年に作られた。作詞家は、劇作家だった安碩柱(アン・ソクジュ)氏(1950年死去)で、作曲家は当時、ソウル大学音楽部に通っていた安氏の息子のビョンウォン氏(84=カナダ・トロント在住)だった。歌詞に登場する「統一」は、当初は「独立」だったが、1948年の政府樹立後、当時の文教部が「統一」へと歌詞を改め、小学校の教科書に載ることになった。統一において最も重要なことは、「誰が、どのような国として統一するか」であるにも関わらず、「どのように」はさておき、統一さえすれば良いと言う人々がいる。この歌が、そのような間違った認識に影響を及ぼしたのかも知れない。

◆我々が成し遂げるべき統一は、大韓民国の憲法に明記されている通り、「自由民主主義的な基本秩序に則った平和的統一」だ。これに基づいた政府の公式的な統一政策は、盧泰愚(ノ・テウ)政権時代にまとめられた「民族共同体の統一案」である。しかし、金大中(キム・デジュン)政権では、6・15共同宣言を通じて、「南側の連合制案や北朝鮮の低い段階の連邦制案は、相互に共通性があると認めた上で、統一を目指す」と規定した。南側の連合制案というのは、実は金大中氏個人の見解に近い。盧武鉉(ノ・ムヒョン)政権を含め、左派政権らは、自由民主主義に基づいた統一をあえて口にしようとはしなかった。

◆李明博(イ・ミョンバク)政権に入り、憲法に基づいた統一観が再び浮上している。統一教育院は、08年に発行した「統一問題への理解」の中で、「自由民主主義に基づいた統一国家の未来像に則って、南北が一つになるのが最も望ましい統一だ」と明らかにした。しかし、これもまた、問題のある記述だ。自由民主主義に基づいた統一は、望ましい統一案ではなく、唯一の統一案だ。7000万人の韓民族の運命を左右する統一観は、政権によって変わってよいものでは決してない。

◆統一教育院は昨日、「統一問題への理解」や「北朝鮮を巡る理解」、「統一教育に関する手引書」の3種類の統一教育の基本教材の10年度版を発行した。北朝鮮によるテロや武力挑発の事例をはじめ、安保への脅威を強調する内容が新たに盛り込まれ、計画経済の強化動向など、北朝鮮を巡る正しい理解を促す内容が追加された。膨大な機会費用を減らし、北朝鮮の核問題や天安(チョンアン)艦沈没事件のような安保上の不安要素をなくすためにも、統一は我が世代に課せられた重大な使命である。

李進寧(イ・ジンニョン)論説委員 jinnyong@donga.com