北朝鮮の金正日(キム・ジョンイル)総書記による中国訪問説が流れている中、北朝鮮の新義州(シンウィジュ)と国境を挟んでいる遼寧省・丹東の反応は大幅に食い違っている。
4日、ビジネス目的で平壤(ピョンヤン)訪問向けビザ取得のために、最近、北朝鮮の瀋陽総領事館・丹東分所に立ち寄ったある在中韓国人は、金総書記の中国訪問説に関連して、職員らから「近いうちに来るのではないか」という話を耳にしたと言う。北朝鮮国籍の日本朝鮮総連系のビジネスマンも、「正確な日付はわからないが、平壤では金総書記の中国訪問を既成事実として受け止めている」と伝えた。
金総書記の中国訪問説が説得力を得ているのは、普段は慎重な対北朝鮮情報関係者らまでが、相次いで「すでに先発隊が中国に来ているという情報が寄せられており、注意深く見守っている」と話しているからだ。
先月31日は、新義州と丹東とを結ぶ丹東鉄橋(中朝友誼橋)で、中国と北朝鮮側が鉄橋を細かく点検する場面が目撃された。中国側による点検は、2日目の1日にも続いた。これについて、金総書記の中国訪問に先立っての安全検査だという見方が広まった。しかし、鉄橋の夜間照明の修理や通常の点検だという見方もある。
金総書記の中国訪問の際、もっとも目立った兆候を見せてくれる中国国境守備隊や丹東市公安当局、出入国管理所などでは、普段と特に違った動きは見当たらなかった。1日午後、丹東駅国際線の待合室は、列車の運行がないために統制を行っているのを除けば、特別な警備強化の兆しは見当たらなかった。海関業務や貨物輸送などにも変化はないと、貨物運送業界の関係者は語った。
丹東や新義州などでの北朝鮮との携帯電話は先月29日と30日の二日間はほとんど電話が繋がらないほど、北朝鮮側による激しい電波妨害を受けたが、1日はたいした不便はなかった。
丹東市・外事弁公室の焦石副主任も1日、「金総書記の中国訪問に関連して、中央政府からは何の連絡も受けていない」と話した。焦副主任は、「ほかの国の指導者の丹東訪問が、我々に知らせず行われるはずがない」と加えた。
金総書記が中国を訪問すれば、丹東鉄橋が見渡せる部屋には宿泊できなかったり、夜間には照明をつけないようにするなどの規制が行われる鴨隳江(アプロクガン)川沿いの中連ホテルには現在、大勢の韓国人や日本人の記者らが宿泊しているが、なんら制限を受けていない。
中連ホテルは、丹東の最高観光地である朝中友誼橋や、韓国戦争の際、米軍による爆撃で破壊された鴨隳江の鉄橋を最も近い距離で眺める場所にあり、鉄道部が観光収入のために運営しているが、龍川(ヨンチョン)爆発事故や核実験などにより、北朝鮮のニュースの中心地として浮上する時には、取材の中心地となっている。
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