映画俳優のイ・ビョンホンが出演したミュージックビデオが画面に映るや、ベトナム少女たちの目が一斉にその画面に注がれた。「ウワ〜、イ・ビョンホンだ。」歌を一緒に口ずさむ生徒もいた。ドラマ「花より団子(韓国版)」の一場面を見せるや、誰か教えてあげたわけでもないのに「キム・ボム」「イ・ミンホ」など、韓国俳優たちの名前が講義室のあちらこちらから飛んでくる。
韓流スターのファンの集まりではなく、ソウル龍山区青坡洞(ヨンサング・チョンパドン)の淑明(スクミョン)女子大学で行われているベトナム女子高生たちの「韓国文化体験キャンプ」の初日の様子だ。淑明女子大は1日、韓国内で初めてベトナムの女子高生20人を招請し、海外生徒の面接を兼ねた韓国体験キャンプを催した。ベトナムのハロンベイ英才高校3年生の女子高生20人が参加している。ハロンベイ英才高校は、韓国の特殊目的高校と似たような高等学校で、地元の優秀な生徒たちが集まるところだ。
淑明女子大のアン・ミンホ韓国文化交流院長は2日、「韓国とベトナムの間の文化交流をけん引する次世代リーダーを養成するため、ベトナムの女子高生たちを招待した。これからますます拡大するアジア市場で活動する主役を前もって選ぶという意味もある」と説明した。外国人特別選考の最終選抜者らはまだ決まっていない。
合格と不合格の決め手になる面接過程だが、生徒たちは興奮して浮かれている。ドラマや映画、大衆音楽で慣れ親しんだ韓国だという国にはじめて来たからだ。ウンウエン・ティトゥオンビ(18・女)さんは、好きな韓国歌手がいるかと聞かれるとすぐ、「ビッグバン」と叫んだ。ウンウエンさんは「宮廷女官チャングムの誓いや朱蒙(チュモン)のような韓国の時代劇が大好きなので、この際に絶対チマチョゴリを着てみたい」と話した。
招待された女子高生たちは、ベトナムで指折りの人材たちだ。彼らを引率し、韓国に来たベトナム・クアンニン省のチュオンクオクチュン教育局長は、「省でもっとも優秀な生徒たちを選抜してきており、この生徒たちはベトナムを代表するといっても遜色がないくらいの女性人材たちだ」と強調した。
韓国文化にひたすら熱狂する、物心もつかない女子高生たちのようだが、韓国でかなう「夢」についてはかなり真剣だ。ウンウエン・タオヒエン(18・女)さんは、韓国のエンターテインメント会社に入社するのが夢だ。彼女は「ドラマでしか見られなかった『韓流』を直に体験してみて、ゆくゆくは韓国で『ベトナム流』を巻き起こしてみたい」と意気込んでいる。
最終面接試験は3日に行われるが、彼らは6日まで韓国に滞在する。同期間に「そり遊び場体験」なども用意されている。淑明女子大側は「ベトナム女子高生たちを選抜して、結果がよければ、中国の雲南省やセネガルなど、ほかの海外優秀生徒の誘致にも乗り出す計画だ」と語った。
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