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[社説]李最高裁長官の在任52ヵ月、司法はなぜ変質したのか

[社説]李最高裁長官の在任52ヵ月、司法はなぜ変質したのか

Posted January. 23, 2010 09:18,   

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「ウリ法研究会」元会長の文炯培(ムン・ヒョンベ)釜山(プサン)地裁部長判事は、李容勲(イ・ヨンフン)最高裁判所長官の就任直後、「ウリ法研究会は最高裁長官を支持する。主流の一員となった以上、これまでの主流の誤りを繰り返してはならない」と明らかにした。文部長判事は最近、この発言について、「多くの会員が最高裁長官の哲学を支持しており、これを主流と表現した」と説明した。文部長判事の発言を考えると、哲学が同じなら良く、哲学が異なる最高裁長官には裁判官の独立を掲げて反発する最近の司法のムードと関連しているようで、苦々しくなる。裁判所を主流と非主流に分ける発言も、裁判官としてしてはならない発言だ。

最近、国民の注目を集める判決が下されると、判事がウリ法研究会の所属かどうかを問うムードがある。今回の一連の問題判決を下した判事は、ウリ法研究会の所属ではない。だからといって、ウリ法研究会は国民的論議を避けることはできない。司法全体を見ると、むしろ事態の核心に位置している。

ウリ法研究会は、学術研究団体だと主張するが、これまで団体の閉鎖性や会員の政治的指向と判決によって、何度も問題が提起された。李最高裁長官も05年9月8日、国会人事聴聞会で、「裁判所にこのような団体があってはならない」という考えを明らかにした。しかし、慮武鉉(ノ・ムヒョン)政権で、朴時煥(パク・シファン)ウリ法研究会初代会長が大法院判事に任命され、ウリ法研究会所属の康錦実(カン・グムシル)弁護士が法務部長官、朴範界(パク・ボムゲ)氏が、大統領府民情秘書官に抜擢された。李最高裁長官は、このような慮武鉉政権の雰囲気を意識したのか、ウリ法研究会に対して何の措置も取らなかった。

狂牛病(BSE=牛海綿状脳症)ろうそくデモ事件の裁判で、当時、申暎𨩱(シン・ヨンチョル)中央地裁所長(現・大法院判事)は、関連の裁判を部長判事が務める単独裁判所に割り当て、裁判を速かに進行せよという要旨の電子メールを裁判官らに送り、裁判独立侵害論議に包まれた。若い裁判官が立ち上がり、真相調査が行われ、大法院の警告を受けた。このような事情から、今回の「PD手帳」名誉毀損事件のような重要な事件も、裁定合意部や部長判事に割り当てず、若い単独判事に任せたため、今回のような騒動が起きたと見ることもできる。地裁所長の裁判配当権と事務分担権などの司法行政権が無力化し、裁判所の幹部が平判事の顔色を伺って事件を機械的に割り振る現行制度は、明らかに問題がある。申地裁所長の事件後は、5年目以下の裁判官の場合、裁判の独立を害する恐れがあるという理由で、裁判官の評価もできなくなった。李最高裁長官が在任52ヵ月の間にこのようなムードを作った責任は重い。

李最高裁長官は、理念型私的組織と言えるウリ法研究会から解体し、公正な裁判官の評価を人事と裁判官の再採用に反映する制度を作らなければならない。司法の独立が今のように満開の時代に、このような制度が裁判官の独立を侵害し得るという主張は妥当ではない。