昨年12月16〜23日、金融監督院(金監院)がKB金融持株と国民(グクミン)銀行に対して実施した事前調査の内容が流出し、姜正元(カン・ジョンウォン)国民銀行頭取のKB金融持株会長内定者の辞退したことに関連して、いわゆる「官治金融」議論が新しい局面を迎えている。
金監院は、事前調査内容の流出を調査権に対する正面挑戦だと位置づけ、強力に対応する方針だ。金監院の高官は15日、「国民銀行が作成した事前調査の関連資料が流出したのは、内部統制システムがうまく稼動していないことを浮き彫りにしている」とし、「真相を明らかにし、今回の事件が経営陣と関わりがあれば、経営陣にも責任を取ってもらう」と話した。
●流出者を探し出して懲戒を要求
金監院が昨年末、事前調査を実施した際、国民銀行は内部的に日付別の要求資料、調査内容、調査担当者のリストなどが盛り込まれた「金監院調査の受検日報」を作成した。金監院は、A4用紙7枚分量のこの資料が最近、政界を通じてマスコミに流出したと判断している。
金監院は早速、国民銀行にこの事件と関わりのある行員を探し出し、懲戒することを要求した。チュ・ジェソン金監院副院長補は同日、予定になかった緊急の記者会見を開き、「今回の資料流出は、金監院の公正で効率的な調査に差し支えを生じるだけでなく、調査業務の独立性を大きく毀損する恐れがある」と批判した。金監院は、銀行法など関連法律を検討した上、その結果次第で捜査依頼など、法的な措置を取る方針だ。
銀行法によると、金融会社の役職員が金監院の調査を拒否したり妨害した時は、最高1000万ウォンの過料を賦課することができる。しかし、これまで実際に過料が課されたのは一度もなかった。
国民銀行は、「流出経緯について内部調査を進めており、関係者を探し出して問責する」と話した。
●「姜頭取と一部の社外理事が槍玉」との見方も
一方、事前調査の内容が公開されたことを受け、KB金融の内部では、当時の調査が姜頭取や一部の社外理事を狙っていたことが明らかになったという主張が出ている。
受検日誌によると、調査初日の昨年12月16日、金監院は、08年、姜頭取の主導で国民銀行が投資したカザフスタンのバンク・センター・クレジット(BCC)の巨額与信の明細票と貸付が焦げ付ける可能性のある固定以下与信業者に対する資料を要請した。
2日目の17日には、チョ・ダムKB金融理事会議長が教授として在職中の全南(チョンナム)大学の経営学修士(MBA)過程に進学したKB金融の社員のリストを提出してもらった。チョ議長が影響力を行使してKB金融の社員を入学させたかどうかを調査しようとする狙いがあるものと分析される。また、金監院は姜頭取の運転手2人を2回にわたって2時間45分間調査した。翌日は、運転手が面談に遅れたことに対する経緯書をもらっており、車両運行日誌、注油カードの執行実績資料を提出してもらった。
21日には業務用パソコン7台に入っている資料を提出してもらい、資料がもらえなかった6台は使用できないように封印した。また、KB創投が投資した映画「母親は死なない」と関連し、映画チケットの購買疑惑を調査した。
受検日誌の内容について、金監院側は、「総合調査を進行中であるため、流出した内容の事実の可否についてはコメントできない」と話した。
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