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「まだチャンスが来ていないだけ」大リーグへの夢諦めない崔香男

「まだチャンスが来ていないだけ」大リーグへの夢諦めない崔香男

Posted January. 09, 2010 07:51,   

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「あそこに見れる峰まで行ってきましょう」。こう言われて記者を含めて3人は、雪道を上り始めた。膝のところまで雪が積んでいる。砂場を歩いているような感じだ。氷点下10度以下の寒さだったが、5分も経たないうちに、背中には汗がにじみ出る。本格的な山道に入ったら、「ここからは走っていきましょう」と言う。鴨毛パーカを脱ぎ捨てた。顔と手は凍りつくところだが、体では熱が出る。頭の上を鳥が一匹飛んでいく。足音に驚いた鹿4〜5匹が元気よく走って隣の尾根へ逃げていく。別天地に他ならない。

山行の危険を知らせる簡易表示板をよそに通っていく。そのように15分ぐらいさらに進んだら、記者はもう疲れ果ててしまった。2人の選手はものともせずよく走る。さらに5分ぐらい上がったら、重たい鉄条網が改めて通行禁止を知らせる。「大雪が降ったからでしょうね。今日はここまでにしましょう」と言う。ほっとした。死に掛かっていたところ、生き返ったような気がした。

華岳山の中腹にある知り合いの家に帰ってきた。短距離競争をしましょうと言う。300メートルもある坂道を全力で疾走する。一度走ったら、頭がくらっとする。海抜が500メートル以上あるため、酸素が足りないからだと言う。2人は3〜4回もっと走ってから、雪畑でキャッチボールを始めた。30分あまりのキャッチボールの後は、下半身強化トレーニングが待っている。

冬山の日は短かった。午後5時ぐらいにトレーニングを終えた。「昨日は尾根を3時間以上走った」と言った。運動の後食べる夕食はとても美味しかった。メニューは作りたての鶏肉の炒め物だ。「息をするだけで運動になるところ」という言葉が肌で感じられる。いつ実現するか分からないまま、7年目を迎えるビックリーグへの挑戦。飽きずに挑戦し続ける原動力は何だろうか。崔香男(チェ・ヒャンナム)は、「必ず大リーグへ行けるという確信がある」と話した。

昨年、LAドジャーズ傘下のトリプルAアルバカーキーで収めた成績は9勝2敗に防御率2.34。眩しい活躍ぶりだった、彼は最後まで大リーグには呼ばれなかった。彼は、「私が相手をして抑えた選手のうち、相当数が大リーグでプレーしている。私はまだチャンスが来ていないだけだ。いつ来るか分からないチャンスなので、熱心に準備しながら待つしかない」と話した。

もう数え年で不惑の40歳。時速140キロ前後の直球のスピード。韓国でさえ平凡な球威。状況が良いとは言えない。無謀な挑戦と言われたりもする。しかし、彼は2月15日、アリゾナ州フェニックスで始まるドジャーズの大リーグキャンプに招待された。彼は、「40歳にもなった選手を呼んでくれたというのは、その分、期待しているという証だ。昨年もマイナーリーグのコーチ陣は、ビックリーグへの昇格を主張し続けてくれた。今回はジョー・トーリ監督に私のボールを直接見せることができる」と話した。

昨年、彼は平均138キロの直球で57と3分の2回を投げて三振を77個も奪った。常識的には納得のいかないところだ。崔香男は、「ボールを1本投げてみると、この打者はどう相手したらよいかが分かる。前はバランスが良い時に限って良いボールを投げたが、今は悪いコンディションの中でも、良いバランスを探し出せるノウハウができた」と話した。投げれば凡打が出るコースを随所に持っており、そこにボールを投げ込む制球力があるという話だ。彼は、「ドジャーズは投手陣が厚いが、入り込めるという自信がある。ドジャーズが駄目だったら、他のチームへのトレードを通じてビックリーグに挑戦することもできる」と話した。

崔香男はこのごろ、自分のことを「フォーティ(40)マン」と呼ぶ。40歳という意味かというと、違う。大リーグ40人ロースターに入りたいという希望の言葉だ。



uni@donga.com