政府が提出した291兆8000億ウォン規模の来年の予算案の処理に向けた国会常任委別の審議が、スタートから難航している。民主党は主要4河川再生事業への項目ごとの予算明細書が出るまで、国土海洋委員会や予算決算特別委員会における予算審議を全面的に拒否することを決めた。来月2日までとなっている予算案処理を巡る法定期限を守るのは、今年も難しいだろうという見方が出ている。
主要4河川事業を成功的に推進すれば、汚染された主要河川の水質の改善や治水、萎縮された地方経済の活性化という「二兎」を取ることができる。民主党による攻勢は、来年の統一地方選挙や12年の大統領選挙を狙っての言いがかりだという見方もある。しかし、政府の素人的な行動が、議論の口実を提供していることも事実だ。
政府は国会に来年度予算案を提出する際、主要4河川の予算3兆5000億ウォンという総額のみ示し、細部項目は公開しなかった。民主党の李始鍾(イ・シジョン)予算決算委・幹事は、「国土海洋部から送られてきた4河川の予算部分には総額1行のみ出ており、これをもって、予算審議なんかできるはずがない」とし、「総額のみ決めておいて、細部の内訳は急いで作っているからだ」と主張した。与党ハンナラ党の沈在哲(シム・ジェチョル)予算決算特別委委員長も、「4河川の予算資料がずさんだという見解に対しては、私も同感だ。最初、資料を提出した時は、総額のみだった」とし、「工区別の細部の内訳を出すよう求め、後でその資料を受け取ったものの、それすらずさんだった」と指摘した。このようなやり方の「問わず予算」なら、批判を受けて当然だ。
国家情報院(国情院)の特殊活動費の予算を各省庁に分けて隠してきた長い「慣行」も変わっていない。民主党は7つの政府省庁の予算に組み込まれている国情院の来年の特殊活動費の予算は2678億ウォンと主張した。盧武鉉(ノ・ムヒョン)政府時代の05年も、毎年2000億ウォン台の国情院の特殊活動費が、各省庁の予算に分散・編成されたことで議論が起きると、当時の李海瓚(イ・へチャン)首相は、「7省庁の特殊活動費は、それぞれの省庁の活動のために使いながら、国情院と協議を行うのであり、国情院が使うのではない」と釈明した。国情院の業務の特性上、特殊活動費を詳しく公開するのは難しくても、次第に透明性を高めていく努力が必要だ。
予算の適切性を突き詰め、透明性を高めて国会や国民を説得すべき責務は、まずは政府にある。大規模な国策事業や、やや無駄遣いになりがちな予算であるほど、細かく策定し、しっかり実施してこそ、後での後遺症を減らし、苦労して税金を納めている国民は悔しい思いをせずに済むだろう。