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[オピニオン]ピンク・リボン

Posted October. 09, 2009 08:08,   

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サンドラ・オコナー元米最高裁判官、女性運動家のグロリア・スタイネム、フォード大統領夫人であるベティ・フォードやシンシア・ニクソン。いかなる関連性もないように見える彼女らの共通点は、乳がんを患ったことがあることだ。米ドラマ「セックス・アンド・ザ・シティ」では自由奔放な独身女性、サマンサが乳がんにかかると設定されているが、実際は、弁護士のミランダ役を務めたニクソンが乳がんの診断を受けた。

◆韓国人のガン発生率のトップは胃癌だが、女性だけで見た場合、乳がんが断然トップだ。06年の調査では10万人当たり46.8人がかかり、1990年代に比べ3倍近く増加した。乳がんの発生率が高まったのは、脂肪摂取など、欧米化された食習慣や肥満、母乳授乳の減少、早まった初経や遅れた閉経などが原因と見られる。韓国は外国と異なって20代や30代の若い女性らの発病率が高い。ひどい場合、胸や命を奪われる乳がんは、若い女性らにとっては死刑宣告同様、恐ろしい病気だ。

◆ほかのガンもそうだが、とりわけ、乳がんは早期発見が重要だ。初期には何の症状もなく、見逃しやすいが、早期に発見すれば、乳房の形も保全しながらガン組織を切り取ることができるからだ。乳がんは超音波検査やX線撮影によっても発見されるが、手で触る触診が有効である。韓国の女性は外見への関心は高いのに、自分の体を細かくチェックすることはおろそかにする傾向がある。外国では夫や恋人が主に発見するが、韓国では銭湯にいる垢すりのおばさんが、一番よく見つけるという冗談話まであるほどだ。

◆10月の「乳がん月間」を迎え、全国で乳がんの予防や早期診断の重要性を強調するピンク・リボン・キャンペーン(Pink Ribbon Campaign)が開かれている。ピンク・リボンは1914年、米ニューヨークで、ある女性が、胸を締め付けるコルセットの代わりに、ピンクのシルク・ハンカチ2枚とリボンで胸を隠して登場した出来事に由来している。女性にとってはいつ訪れてきてもおかしくない「招かれざる客」だ。家族のいる女性はなおさら、注意が必要だ。女性が健康で美しい胸を守るためには、細心の管理が必要だ。夫らの関心も早期診断率を引き上げることに貢献できるだろう。

鄭星姫(チョン・ソンヒ)論説委員 shchung@donga.com