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[オピニオン] 乙支訓練と戦争訓練

Posted August. 19, 2009 08:45,   

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17日から27日にかけて行われる乙支(ウルチ)フリーダム・ガーディアン(UFG)訓練は、戦時作戦の統制権(戦作権)を韓国が単独で行使することに備えての韓国軍と米国軍との合同訓練だ。前政権の時に両国間で合意された通り、戦作権が12年、韓国に戻されても、韓米合同作戦の実施に支障がないよう、合同作戦能力を育成するのが狙いである。韓国の生存権を守るための防御訓練にほかならない。ところが、常套の「反戦平和」を掲げた一部の北朝鮮寄り団体では、「戦争訓練」だと主張し、中止を求めている。

◆軍は基本的に、戦争に備えてできた組織である。したがって戦争に備えるのは当然のことだ。侵略のための攻撃訓練か、それとも侵略に備えての防御訓練かが問題だ。UFGの本をただせば、防御訓練に間違いない。韓国戦争休戦の翌年である1954年から、国連司令部の主催で「フォーカス・レンズ」訓練を実施し、1968年、北朝鮮の特殊部隊による1.21大統領府襲撃事件をきっかけに、「乙支訓練」を開始し、それがUFGへと繋がった。北朝鮮寄り勢力らの「戦争訓練」という主張は、国軍や米軍が北朝鮮を侵略するための攻撃訓練を展開しているというこじつけにほかならない。

◆今回の訓練には韓国軍5万6000人あまりと米軍1万人あまりが参加するが、コンピューター・ウォー・ゲームの形で行われる。今年は北朝鮮によるサイバー攻撃や民間人への爆弾、化学戦や生物学戦、放射線戦のテロに備えた訓練が追加された。北朝鮮によるさまざまな挑発脅威がそのきっかけとなった。先月、国連司令部は今回の訓練の日程などを、慣例どおり北朝鮮側に通知した。しかし、北朝鮮はこれを、「核戦争のための訓練」だと主張し、特別警戒態勢を発動し、「無慈悲かつせん滅的な打撃を加える」と脅かした。北朝鮮寄り勢力は、北朝鮮と歩調を合わせる行動を示している。「反戦平和」を主張する人々が、北朝鮮による核やミサイル脅威に対しては口をつぐんでいることに、彼らのアイデンティティを垣間見ることができる。

◆民主労総や韓国進歩連帯「平和と統一を開く人々」などは、今回の訓練に対して、「北朝鮮の体制崩壊を狙う世界最大の攻撃的戦争訓練だ」と主張し、一昨日、パフォーマンスのデモまで繰り広げた。李明博(イ・ミョンバク)大統領は8.15の独立記念日での挨拶で、南北の在来式兵器の削減を提案しておいて、戦争訓練まで行うとこじつけを言ったりもした。兵器削減は片方の提案によって直ちにできるものではない。相互主義に則り、実践可能な削減案を探すべきだ。

陸貞洙(ユク・ジョンス)論説委員 sooya@donga.com