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[オピニオン]教育監の招待状

Posted April. 27, 2009 03:31,   

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「二人が愛し合い、一つの家庭を築いていく。ぜひお越しになって、祝福してください」。白いカードにこのような素朴な文句が書かれた結婚式の招待状は、最近は受け取ることがない。最近のはやりの招待状は、封筒からカードデザインになり、材質が高級で洗練されている。カードを結ぶリボンも豪華だ。電子メールの招待状には、事前に撮影したウエディング写真や映像、2人の出会いの話が描かれている。絵や写真とともに、招待状の文を携帯電話で送るメール招待状サービス業者も大繁盛だ。

◆招待状を受け取り、誠意をもって祝儀を出すことは、持ちつ持たれつの精神がこもった美風良俗だ。冠婚葬祭で金がない時に助け合う「契(ケ=頼母子講)」と見ることもできる。しかし、招待状を受け取った時、「祝儀請求書」のように感じる人が多いことも現実だ。事業や職務の関係で、祝儀を出さざるを得ない相手から招待状を受け取った時、そのような思いを抱く。子どもの日、父母の日、先生の日があるうえ、結婚式まで集中する5月は、ふところ事情が豊かでない庶民と会社員には「残酷な5月」だ。

◆羅根炯(ナ・グンヒョン)仁川(インチョン)市教育監が、各学校の校長や教頭、各界関係者数千人に息子の結婚式の招待状を送った。そのうえ、教育庁総務課の職員数十人を結婚式場の案内や祝儀の受付に動員しようとして、ひんしゅくを買った。問題が大きくなると、市教育庁は、「招待状を誰かに送り、誰かに送らないことはできず、全校長や教頭に一括して郵送した」と説明した。苦しい言い訳に聞こえる。一足遅れて論議が起こると、昨日の結婚式場では、祝儀は受け取らなかった。

◆03年に制定された公務員行動綱領には、「一定の金額以上の慶弔金はやり取りできない」と規定している。慶弔金自体を禁止することはできない。しかし、選出職の公職者や、政務職・任用職の高級公務員の間では、半分は恣意、半分は他意で、慶弔金を受け取らない慣行が定着しつつある。公職者の家庭でなくても、冠婚葬祭で、慶弔金の受付台を設置しない余裕を見せる家が増えている。仁川市の教育行政に責任を負う教育監が、そのような範を示さないどころか、管轄学校に一括して招待状を送ることは、いただけない。

権順澤(クォン・スンテク)論説委員 maypole@donga.com