Go to contents

[オピニオン]国民の感覚と「機嫌ばかりうかがう長官」

[オピニオン]国民の感覚と「機嫌ばかりうかがう長官」

Posted April. 13, 2009 07:53,   

한국어

カナダ政府が自国産牛肉の輸入を再開しない韓国を、世界貿易機関(WTO)に提訴した。カナダ産牛肉は米国産と同様、国際獣疫事務局(OIE)から狂牛病(BSE)危険統制国の地位を得て、科学的に安全だという理由である。我が政府も、カナダ産牛肉の科学的な安全性についてはある程度認める。しかし、依然として時期尚早だと見て、時期を引き延ばしてきた末に、提訴を受けたのである。張太平(チャン・テピョン)農林水産食品部長官は、「国民の感覚や消費者説得の問題が容易なことではなく、慎重を期すべきだという意見が多かった」と語った。要するに、「国民的な共感」が十分に成されていないというのである。

◆昨年、米国産牛肉の輸入再開を巡って繰り広げられたろうそくデモを思えば、張長官の慎重な態度を理解できる。しかし、MBC番組「PD手帳」の「狂牛病を巡る報道」のように、意図的に歪曲された主張や、大声を出す利益集団に引きずり回され、そのつど政策決定を見送ることも正道ではない。同じ地位なのに、米国産のみ輸入し、カナダ産の輸入を食い止めることになれば、WTOにおいても敗訴されるだろう。

◆最近、各政府省庁では政策の是非を離れて、世論や利益集団の反応を先に気にする傾向を示している。政策方向を先にメディアに漏らして反応を見守った後、世論が芳しければ実施し、問題化しうる余地があるなら、やめるというやり方である。「ろうそく」によって所信が燃えてしまったような気がする。一般医薬品のコンビニでの販売や、医療観光の誘致のための営利病院の許可問題も、利益集団の反対で進んでいない。利益集団のエゴイズムに、沈黙する多数の利益は吹き飛ばされてしまう。

◆「国民的共感」は政策決定の重要な物差しの一つに過ぎない。賛成する国民の多い政策であってこそ、成功する可能性が高い。しかし、政府が主要政策において、国民の世論をリードすることも重要である。京釜(キョンブ)高速道路や仁川(インチョン)国際空港も、反対世論の強い中で推進された。利益集団の意見のみ受け入れたなら、金融実名制度の実施や鋻溪川(チョンゲチョン)の復元も不可能だっただろう。全ての政策を世論調査の結果通りにのみ決定すれば、多くの長官はなぜ必要なのだろう。長官らは保身に気を使うあまり、「機嫌ばかりうかがっては」李明博(イ・ミョンバク)政府の所信とも程遠い。

朴永均(バク・ヨンギュン)論説委員 parkyk@donga.com