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[オピニオン]北朝鮮の開城工団工作

Posted November. 10, 2008 08:25,   

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北朝鮮の「開城(ケソン)工業団地工作」の実体が徐々に明らかになっている。先週、金英徹(キム・ヨンチョル)中将が率いる北朝鮮軍部調査団が、開城工団に乗り込んで、現地調査を行なった。金中将は、南北将官級会談の北朝鮮側団長で知られた人物だが、今回は、北朝鮮最高権力機関である国防委員会政策室長という肩書きを使った。金中将は、工団の基盤施設と企業の状況を調査し、「(韓国側企業の)撤収にどれほどかかるのか」と質問したという。

◆北朝鮮は先月2日、南北軍事実務会談で、(脱北者団体などの)北朝鮮に対するビラ散布が続く場合、「開城工団の事業に良くない影響を及ぼす」と主張し、その後、労働新聞の論評者で、南北軍事会談の北朝鮮側代表団報道官を使って、脅しの強度を高めてきた。北朝鮮は最近、ビラ問題を集中的に取り上げているが、3月には金夏中(キム・ハジュン)統一部長官の発言を、9月には李明博(イ・ミョンバク)大統領の発言を問題視していた。今回の軍部調査団の開城工団への出動と工団工作の脅しは、さらに一歩進んだ「武力デモ」の性格を帯びている。

◆北朝鮮がどこまで行くのか分かりえないが、開城工団はすでに南北関係の犠牲になってしまった。北朝鮮の状況を考えれば、最悪の選択に違いない。現在、開城工団では、3万5000人の北朝鮮労働者が働いている。彼らは、北朝鮮では超高収入である55ドルの月給(社会保険料を含めれば63ドル)を受け取る。相当の金額が当局にわたると言われているが、彼らの栄養状態と顔色が、他地域の住民とは比較にならないほど良くなったことだけは明らかだ。平均の家族数を4人と計算しても、14万人の北朝鮮住民が、開城工団の恩恵で暮らしている。

◆バラク・オバマ米次期大統領は、当選後の初の記者会見で、今年に入って120万人の米国人が失業し、雇用創出のための中間層救済計画を最優先の課題に掲げた。世界最高の経済大国も、雇用創出に必死だが、食糧を世界に求める北朝鮮が、3万5000の雇用をなくすと、韓国に脅しをかけている。その一方で、北朝鮮労働党は、経済発展と人民生活の向上に集中し、金日成(キム・イルソン)主席の生誕100周年になる2012年には、物質的強国を果たすと言う。開城工団を妨害して、南北のどちらが苦しむだろうか。

方炯南(パン・ヒョンナム)論説委員 hnbhang@donga.com