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[オピニオン]「頑張れ!韓国映画」

Posted October. 13, 2008 07:58,   

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先週閉幕した第13回釜山(ブサン)国際映画祭には史上最多の19万8000人の観客が駆けつけた。天気はこの上なく晴れて、映画祭を楽しむにはうってつけの天気となった。しかし、祝祭の活気はいつもと違った。開幕当日の2日朝、俳優崔真実(チェ・ジンシル)さんの自殺のニュースが伝った。映画祭の雰囲気に影響を及ぼした。企業の協賛金が減ったため5億ウォンの赤字は避けられなかった。なによりも国内映画界の長引く低迷が韓国を代表する映画祭に黒い影を落としていた。

◆今年の映画祭は、「頑張れ!韓国映画」というスローガンを掲げた。最初は冒険に近かった釜山映画祭が予想に反して成功を収め、韓国映画は最盛期を迎えた。しかし、今回の映画祭の期間中に開かれたセミナーで、カン・ハンソプ映画振興委員長が「大恐慌」と表現するほど、韓国映画の現状は深刻だ。投資資本が離れ、製作本数は激減している。カン委員長の「大恐慌」の発言には悲観論をあおるという批判が相次いだが、「来年や再来年にも正常化されなければ、映画産業は崩壊しかねない」という暗鬱な展望は聞き捨てにならない。

◆映画不況の原因は複雑だ。観客は映画館まで出向かなくても映像を楽しめる選択の幅が広くなった。新種のメディアの登場のためだ。余裕のある客層はさらに力動感あふれるミュージカルなどの公演のほうに足を向けている。映画界はその間の好況をうまく活用できず、「映画権力」の主導権を巡っての內訌が続いたせいもある。でも、最も大きな理由は想像力の限界だ。映画のみならず、さまざまなエンターテイメント産業があふれているのに、従来の作品を超えるストリーや映像を出せずにいる。

◆だからといって、悲観までする必要はなさそうだ。香港の王家衛監督は記者会見で、「韓国に来るたび、韓国の若いファンらは映画を本当に愛しているような気がする」と述べ、「これこそ韓国映画の土台だ」と話した。ごもっともだと思う。このような観客がいる限りまだ希望はある。ただし、この数年間、一部の映画関係者が夢中になっている「イデオロギー志向」からは脱するべきだ。芸術においてイデオロギーは毒素だ。社会主義国家に芸術らしい芸術が存在しないのも偶然ではない。映画界が想像力を求めるなら、イデオロギーとは一定の距離を置かなければならない。

洪贊植(ホン・チャンシク)論説委員 chansik@donga.com