大幅なウォン安が5日間続いたウォン相場が9日、15.50ウォン高ドル安に転じた。これは、政府の口頭介入のおかげではなく、外貨保有高を解いて、「実弾」介入に乗り出した結果だ。市場のドルが底をつき、投機的仮需要まで加勢すると、李成太(イ・ソンテ)韓国銀行総裁は、「非理性的過敏」と指摘した。しかし、為替ヘッジ向けの派生商品「キコ(KIKO=Knock−in Knock−out)」で損失を負い、倒産の不安に追い込まれ、ドルを求めてさ迷う中小企業に、「理性的に取り引きせよ」という忠告が受け入れられるだろうか。
これまで、立て続けに発せられた政府の漠然とした楽観論発言が、むしろドル波紋を増幅させた。市場の急変を予測する力もなく、長官、大統領府参謀だけでなく、大統領まで「問題ない」という言葉だけを並べ立て、むしろ禍を育てた。当局者たちの言葉をかけ離れた結果が繰り返され、政府に対する信頼がさらに落ちてしまったのだ。
9月30日、姜萬洙(カン・マンス)企画財政部長官が、「外貨保有高を必要なだけ投入して、為替が急速に上がるのを阻止する」と言うと、2日後、為替が暴騰し始めた。「心配するな」と言ったり、銀行と企業に注文ばかりするよりも、小さくて脆弱なソウル外為市場、経常収支の赤字によるドル供給不足の状況を点検し、補う行動を示していたなら、混乱を抑えることができただろう。「キコ」の被害を受けた中小企業の問題も5月から提起され、緊急の対策が求められていたにもかかわらず、先延ばしにし、今週になって外貨保有高を解いて対策チームを稼動させた。結局、企業の被害は大きくなり、国民負担がとなる対策コストはさらに増えた。
政府は、「主要政策とビジョンが国民に十分に伝わらず、誤解を招き、混乱をもたらす」として、李明博(イ・ミョンバク)大統領のラジオ演説を推進している。しかし、効果は疑わしい。9月危機説の時も、与党・内閣・大統領府の主要関係者たちが総出で発言した。あの時、大統領が表に出なかったために、政府不信が大きくなったのではない。このような重要な話をするなら、なぜラジオを通じてするのかも疑問だ。フランクリン・ルーズベルト米大統領がラジオ演説を始めたのは、テレビが登場しなかった時代だった。
企画財政部長官が、市場に説得力を示せないのに、大統領が出てきたからといって、反転させることができる状況のようにも見えない。大統領がマイクを握って、内外の市場状況が悪化した場合、その後始末は誰がするのか。






