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[社説]「国家アイデンティティ」を生かす教育—文化ー放送の改革が急がれる

[社説]「国家アイデンティティ」を生かす教育—文化ー放送の改革が急がれる

Posted September. 13, 2008 08:57,   

国会文化体育観光放送通信委員会(文放委)が、初会議から与野党の政治攻防で混乱している。8日に開かれた初の全体会議で、野党民主党の議員たちは、「放送局の天下り人事、反対」のバッジをつけて現われ、李明博(イミョンバク)政府が「放送掌握」を企てていると主張した。10日の会議は、放送通信委員会から業務報告を受ける席だったが、民主党は、崔時仲(チェ・シジュン)放送通信委員長の辞任を要求し、攻勢を続けた。

民主党は、「放送で過去のような影響力を喪失すれば、今後の政権獲得は望めない」と述べ、先の政権で築いておいた文化権力を死守するために、総力を傾けている。その最前線と言える文放委で、民主党の攻勢は激しい。民主党は、国会議員数の劣勢を外部の市民団体と連帯して挽回すると明らかにしており、文放委の内外で熾烈な争いが予告されている。

憲法裁判所で違憲判決を受けた新聞法を改正する問題をめぐっても、文放委で激突が避けられない。言論の自由を侵害する毒素条項を多く含んでいる新聞法は、改正または廃止されなければならないが、民主党はこれに否定的だ。先の政権で、左派を中心にして再編された文化芸術政策や文化体育観光部傘下の団体の人材構成を正すことに対しては、国会だけでなく、文化界でも対立が激化するものとみえる。

民主党は、左寄りの公営放送を存続させることを、文化権力を守ることと勘違いしてはいけない。大韓民国のアイデンティティを否定するテレビ番組を製作してきた公営放送を正常化することに、少しのブレもあってはならない。新聞法の一部の条項は、韓国の憲法精神であり、国家戦略である市場経済と自由民主主義を真っ向から否定している。これを正すことも、政争や妥協の対象にはなりえない。

韓国社会で、左寄りの流れは、破綻に至る北朝鮮体制を友好的に、大韓民国は「問題が多い国」として表現することで、社会の構成員にアイデンティティの混乱を強要している。未来世代に与える教育的害悪も大きい。左寄りの近現代史の教科書を採択しないという市・道教育監の最近の合意に対して激しい反発が出ているのが、厳然たる現実である。政府は、断固たる意志を持って、教育、文化、放送の改革を成功させなければならない。