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[社説]時代の偉人、柳根哲博士

Posted August. 19, 2008 07:39,   

漢方界の元老、柳根哲(リュ・グンチョル)博士が韓国科学技術院(KAIST)に寄付した578億ウォンは、これまでの大学寄付金では最高額であり、科学人材の育成を目的とする未来志向的で愛国的な寄付という点で重要である。柳博士の寄付額は、韓国内大学のうち、寄付金収入が最も多いとされる高麗(コリョ)大学と延世(ヨンセ)大学に昨年1年間寄付された金額を上回る。柳博士は漢方医として医院を開業し、大きな成功を収めた勝ち組という地位に止まらず、人材育成と慈善を実行した時代の偉人となった。

柳博士は、いつも質素で倹約する人生を歩んだ。最近の酷暑の中でも、柳氏が宿所兼事務室に使用しているマンションにはクーラーも、扇風機もない。床屋に行っても散髪だけして、ひげは家で自ら剃る。タンスやベッドを除く全ての家具は、古い物をリサイクル、またはリユースしている。古いスキー板で本棚を、鉄板と木材では机を、ゴミ箱で拾ってきた毛糸のベストでは座布団を作った。1万ウォンで4つ買える安物のネクタイを締めていたりもする。柳博士にとって預金通帳とは入金に必要なもので、お金を下ろすためのものではなかった。このようにして貯めた578億ウォンを寄付し、彼は「私のお金ではなく、私が管理していたお金」と話した。

世界金融界の大物と呼ばれる米国のジョージ・ソーロース氏は、慈善活動でも世界屈指の篤志家だ。ソーロース氏は「慈善活動とは、裕福な人だけが負うべき義務ではなく、人間としての基本的な責務」と話している。さらにソーロース氏は、「お金は稼ぐよりも使うほうが難しい。慈善事業家は、必ず慈善の結果について考える独自の哲学を持っていなければならない」と話した。

柳博士も寄付の成果を最大化するために、10年前から対象機関を綿密に検討した。博士は寄付をする前、科学技術人休養館、研究施設、科学有功者墓地の造成など、寄付金の使途について学校側と詳細に話し合い、合意している。一生の信条が「大韓民国の科学立国への一助」だった柳博士は、KAISTへの寄付を通じてその夢をかなえた。

柳博士は「自分の食事を物乞いに分けてあげていた母親から最も大きな影響を受けた」という。母親の「救恤(きゅうじゅつ)精神」が息子に伝わったように、柳博士の精神が社会に広がれば、世の中はずっと明るいところになるだろう。柳博士のように大金を持たなければ寄付や「分かち合い」を実行できないわけはない。世の中をよりよくするためのことは、誰でも参加できる。