「大統領記録物」をめぐり、大統領府と盧武鉉(ノ・ムヒョン)前大統領側が葛藤をもたらしている。政府は13日、盧前大統領側に大統領記録物を返還すうよう要請した。盧前大統領の秘書官は、これに先立ち、「電子文書の写本を持ち出し、暫定保管している」と認めた。そして、「盧大統領の退任後、文書保管の事実を現政府側に説明し、了解を求めた」と言ったが、どのような文書を持ち出したのかによって変わる。回顧録の整理や記念館の保存のための記録なら、別段問題はないが、国家の外交や国防に関する機密文書なら、退任する大統領が持ち出してはいけないだろう。
◆盧前大統領は、資料に関する限り、史上最高の記録を残した。京畿道城南市(キョンギド・ソンナムシ)にある大統領記録館に保管された盧前大統領の記録物は、376万7764件にものぼる。18年間政権の座にいた朴正熙(パク・チョンヒ)元大統領の記録物3万7614件の100倍、歴代大統領の記録物の合計33万841件の10倍を上回る。数字に驚いて、朝鮮王朝実録を上回る大統領実録が出たと言う人までいる。行政都市に1100億ウォンをかけて新大統領記録館を建てるプロジェクトも、盧前大統領の時に作られた。
◆問題は、資料の価値だ。一度クリックするだけで文書生成が可能なデジタル時代に、資料件数で大統領記録物の水準を評価するのは愚かなことだ。資料の玉石を見極めなければ、無駄な要素も大きい。效率的な国政運営に役立つ百科事典のような資料を集大成することも重要だが、後任大統領が速やかに業務を把握し、前任者の資料を活用できるよう引継ぎすることも重要だ。
◆盧前大統領の記録物は、新政府に役立つどころか、逆に紛争を育てる種になっている。新旧政府は、引継ぎ資料をめぐり、空の缶だとか言って舌戦を繰り広げた。新政府は、先の政府に主要文書と資料を破棄され、人事データベースは大統領記録館に送られ、これを閲覧するために、国会の同意を得なければならない状況だ。ボンハ村にある記録も、論争や感情的な争いに終わらせることではない。大統領記録物の管理に関する法律の第3条は、「大統領記録物の所有権は、国家にある」と明記している。是非と所有権を明確に分けなければならない。
方炯南(パン・ヒョンナム)論説委員 hnbhang@donga.com






