ウ・イェスルさん(8)の遺体が発見された18日。ユン・ボンウォンさん(45)は、警察が捜索した京畿道始興市(キョンギド・シフンシ)の君子川(グンジャチョン)を一人で捜した。9年前、学校の現場学習に行った帰りに行方不明になったユンさんの娘のジヨンさんは当時、ウさんと同じ小学校2年生だった。ユンさんは、「遺体が私の娘である可能性が低いことは分かっている。全国の土地を掘り返したい思いだ」と話した。
ユンさんは18日、京畿道安養市(アンヤンシ)に設置されたウさんの棺が置かれた部屋で、一晩中酒を飲んだ。
▲「初動捜査を早く始めていれば…」〓李ヘジンさん(10)とウさん殺害の知らせを聞いた行方不明児童の親たちは、「遺体ではなく、生きていると信じて捜そうと、あれほど願っていたのに…」と嘆いた。
親たちは、「捜索願いが出されたら単なる家出として扱うのではなく、初期段階で積極的に捜査をしなければならないという要求を黙殺した結果だ」と警察を非難した。
児童の誘拐は、12時間以内に解決できなければ、生存の確率が大幅に低くなるにもかかわらず、警察は、目撃者の証言など具体的な犯罪容疑がなければ、捜索願いから4時間経ってから捜査を始める。
李さんらが行方不明になった時も、通報から1週間も経ってからアンバー警報(誘拐を知らせ、失踪児童に対する情報提供を呼びかける告知)を発令した。
このため、行方不明児童の親たちは、警察に頼るよりも直接「聞き込み捜査」をしている。
5年前、4歳の息子が行方不明になった朴ヘスクさん(41)は、「子どもが帰ってこないので、警察に捜索願いを出しに行くと、担当の警察官は『家に帰って待っていれば、すぐに帰ってくるだろう』と言って、捜索願いを受け付けなかった。こんな警察をどうして信じられるだろうか」と言って、憤りを露にした。
▲「行方不明児童担当のチームはいつ…」〓毎年、児童の行方不明は増えているが、警察は、行方不明担当部署や専門捜査の人材陣容すら整備していない。
第一線の警察署では、行方不明の届出は女性青少年課の職員1、2人が担当しており、事件の捜査は、大半が凶悪事件を捜査する刑事課で行なっている。
警察関係者は、「児童の行方不明は時間と人材が必要で、勤務評価や昇進考課にも大きく反映されず、捜査に消極的な方だ。刑事の場合、刑事事件の処理にも忙しく、行方不明児童を捜す状況でないのが事実だ」と述べた。
警察大学の表蒼園(ピョ・チャンウォン)教授は、「先進国の場合、児童行方不明の捜索願いがあれば、米連邦捜査局、英国家警察振興庁などの児童専門の対策チームが、捜査の諮問を担う」としたうえで、「韓国は、第一線の地区隊の警察など、専門知識の不足した人が初動捜査を行ない、現場で重要な手がかりを逃すケースが多い」と話した。
警察は3月の1ヵ月間、全国の行方不明児童に対する再捜査を行っている。
neo@donga.com






