大統領職引継ぎ委員会・国家競争力特別委の関係者9人が学者ら23人とともに今月15日、江華道のウナギ料理屋で16万ウォン(4人前基準)もの料理を食べた。大半が教授である参加者らを乗せてソウルから江華道まで走ったバスは、引継ぎ委の諮問委員兼大学教授である朴チャンホ氏が仁川(インチョン)市長特別補佐の名で仁川市に頼んで送ってもらったものだった。食事代の189万ウォンは、仁川市の法人カードで決済したが、問題になりそうと判断し、朴教授が大学のカードで清算した。江華郡首が準備した「プレゼント」まで受け取った会食参加者たちは、ソウルに帰るバスの中で、新しい政権勢力としての華やかな将来を夢見、胸を膨らませていただろう。
次期政権の発足を準備するという引継ぎ委員会の委員らの振る舞いがこれとは、あまりにもがっかりだ。一事は万事と考えたい。委員の中には、李明博(イ・ミョンバク)政権の5年間、重要なポストにつく人もいるはずだ。政権発足前からこのような不祥事を起こす人なら、実際に権限を持つポストについている間、どのように振舞うかは想像にあまりある。
「江華道ウナギ料理遊覧団」は引継ぎ委の内部指針を犯しただけでなく、新たに発足する政権にも泥を塗った。平日の昼間に江華道まで飲食接待を受けるため出向くほどのんびりできるということが判明しただけに、引継ぎ委が週末も返上して働いているというアピールも色あせてしまった。
引継ぎ委はこれまで不動産政策諮問委員の高鐘完(コ・ジョンワン)氏が諮問委員という看板を利用して高額の不動産コンサルティング料を受け取っていたことが発覚し、解任された。朴光武(パク・クァンム)専門委員は、メディア各社の性向調査を行い、引継ぎ委から追い出された。二転三転する「英語没入教育」政策や、全焼した崇礼門(スンレムン)を国民募金で復元しようというばかげた提案で引継ぎ委に対する国民の評価がよくない中、またも不祥事が起きたのである。
今回の不祥事は、4月の総選挙でハンナラ党をけん制しようという動きをより活発化させると思われる。ハンナラ党が全羅道(チョンラド)を除いた全国の全ての市・道の首長と議会を掌握しているのに、国会でまで与党になれば、「江華道ウナギ料理遊覧」以上のごう慢や不祥事が続いてもけん制するすべがないという主張が勢いづくのは当然といえる。ハンナラ党の執権は、ひとえに10年間低迷を続けている経済を上向かせてほしいという国民の念願があったから可能だった。国民の切実な期待が失望に変わるのは時間の問題かもしれないという事実を肝に銘じるべきだ。
李慶淑(イ・キョンスク)引継ぎ委員長は、「政権の発足が数日後に迫っている時期にこのような不祥事が起きたことを恥ずかしく思っており、国民に申し訳ない」とし、一罰百戒で対応すると述べた。李委員会は約50日に及ぶ委員会の活動期間中、4回も国民に謝罪するほど、管理能力の不在をあらわにした。今回の不祥事に関わった9人のうち、2人が辞表を出したことでことを片付けてはならない。今回、接待を受けた全ての人を次期政権の内閣はもちろん、政界でも排除しなければならない。






