プロバスケットボールとプロ野球は選手の年俸がすべて公開されるのに対し、プロサッカーはまったく公開されていない。プロサッカーの各チームは、自由契約(FA)に回った選手らと年俸交渉を進めているが、具体的な金額は知るすべがない。なぜサッカーだけがそうなのか。
チームとエージェントが非公開年俸交渉の理由として真っ先に挙げるのは、選手間の士気の問題。エージェントのFSコーポレーションのチュ・ヨング理事は、「野球やバスケは投手やセンターなど、特定ポジションへの依存度が高い。これについては選手たちもある程度は認める。しかし、サッカーは違う。年俸が公開されれば、チームワークに大きな影響を及ぼす」と話す。
水原三星(スウォン・サムソン)のオ・グンヨン事務局長は、この意見に同調し、さらに現実とかけ離れた契約ルールを理由に挙げた。「球団は選手に多様な契約条件を示すことができる。いわゆる『裏面契約』と呼ばれるこういうことは、韓国プロサッカー連盟のルールに合わない場合が多い」と話す。
KBSNの金デギル解説委員は、「年俸非公開の一番大きな理由は裏面契約だ。裏面契約のため、選手たちが移籍に制限を受けるなど、いろいろな副作用が生じかねない。年俸の公開は必ず実現しなければならない」と指摘する。
国内プレー時代の李天秀(イ・チョンス、フェイエノールト)や安貞桓(アン・ジョンファン、水原三星)ら「スター級プレーヤー」は、1年に年俸や手当てなど合わせて10〜12億ウォンもらっているとされている。SBSの朴ムンソン解説委員は、「オランダリーグにも年俸10億以上の選手はめったにいない。韓国プロサッカーの年俸は、非常に高いほうだ」と話す。
一方、オ局長は、「2002年韓日W杯以後、選手の年俸インフレーションが激しくなった。国内チームの収入は日本のJリーグの約3分の1だが、選手の年俸による支出はほとんど同額だ」と話す。
生存の危機を感じている国内プロサッカー業界は、選手年俸のバブル除去に向けて動き出している。年俸の値上げ要因のひとつは、チーム同士に競争による裏面契約という指摘がある。年俸のバブルをなくすためにも、年俸公開を検討しなければならないという声が高い。
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