南北首脳が平壌(ピョンヤン)会談で合意した経済協力事業拡大案をめぐり、政府と民間の間にかなりの見解の違いがあらわれている。
政府と公企業、政府の影響に敏感な一部企業が次々と経済協力事業の後続措置を出す一方、主な民間大企業は、北朝鮮への投資拡大に慎重な態度を見せている。
特に、今回訪朝した一部の経済関係者は、「北朝鮮は経済協力の件と関連して、具体的な準備ができていないという印象を受けた」と明らかにし、韓国政府が意欲だけで先走り、焦っているのではないか、という指摘も出ている。
▲「北朝鮮側の準備は不十分」
特別随行員として北朝鮮を訪問した金基文(キム・ギムン)中小企業中央会長は5日、記者懇談会で、「(平壌で)業種別懇談会を行ったが、北朝鮮側に経験がないためか、会議らしくない会議だった。満足的ではなかった」と明らかにした。
また金会長は、「北朝鮮は、始めは何をすべきかかなり困っている様子だった。少し困惑しているようだった。分野別には取り揃えたが多少ぎこちない様子で、対応が劣るようだった」と付け加えた。
金昌録(キム・チャンロク)産業銀行頭取も、北朝鮮側の準備不足を迂回的に示唆した。金頭取は、「今回の訪朝を通じて、北朝鮮の商業銀行設立認可の手続きなどについて知りたかった。しかし、質問に答えることができるパートナーを北朝鮮は見つけていないようだった」と話した。
金頭取は、今回の訪朝期間中に北朝鮮貿易銀行の金局長に会ったが、金局長は実務級なので、韓国の国策銀行頭取とランクが合わないという指摘も出た。
▲政府と公企業、後続措置の発表の嵐
政府や公企業、政府の影響力が大きな民間企業は5日、一斉に経済協力と関連した後続措置を出した。
権五奎(クォン・オギュ)副首相兼財政経済部長官は、「北朝鮮の油田開発部分も首脳会談で論議し、今後の南北経済協力共同委員会で北朝鮮側と協議をする事項だ」と説明した。
韓国土地公社は、来月から開城(ケソン)工業団地2段階事業の調査に着手する計画だ。大韓鉱業振興公社も今月中に、北朝鮮の鉱物資源を探査するために調査チームを送ることを決めた。
産業銀行と韓国資産管理公社が大株主の大宇(デウ)朝鮮海洋の南相兌(ナム・サンテ)社長は、「咸鏡南道安辺(ハムギョンナムド・アンビョン)地域に1億〜1億2000万ドルを投資して、船舶用ブロック工場を建設する案を推進する」ことを明らかにした。
ある民間経済研究所の関係者は、「経済協力の拡大は望ましい方向だが、今回の首脳会談直後にあふれ出る政府の後続措置を見ると、経済性を緻密に事前検証したのかどうか疑問だ」としつつ、「あまりにも性急な北朝鮮投資拡大の発表は、次期政府と国民に大きな負担を与える恐れがある」と指摘した。
▲民間企業、北朝鮮投資「さあ?」
北朝鮮は、「寛大な投資」を求めているが、民間企業は消極的な反応だ。北朝鮮事業を行っている玄貞恩(ヒョン・ジョンウン)現代(ヒョンデ)グループ会長だけが、「来年4月頃に、白頭山(ペクトゥサン)観光が可能だ」という展望を明らかにした。
三星(サムソン)グループを代表して訪朝した尹鍾龍(ユン・ジョンヨン)三星電子副会長は5日の報道資料を通じて、「北朝鮮側がシステムと制度を備え、3通(通信、通行、通関)への保障とインフラが拡充されるなら、新規投資分野を検討できる」と明らかにした。現在のところ、北朝鮮への投資計画がないことを婉曲的に表現したわけだ。
鄭夢九(チョン・モング)現代起亜(キア)自動車グループ会長と具本茂(グ・ボンム)LGグループ会長、崔泰源(チェ・テオン)SKグループ会長も、経済協力については言及を控えた。
金勝猷(キム・スンユ)ハナ金融グループ会長は、「敵性国家やテロ支援国家問題が解決されなければ、国際決済網にも入れないだろう。一歩間違えれば、(米国の制裁で資金凍結された)バンコ・デルタ・アジア(BDA)のようなことが起こるのではないか」と憂慮した。






