卞良均(ピョン・ヤンギュン)元大統領政策室長(58)が05年7月、洪起三(ホン・ギサム)東国(トングク)大学総長(当時)に「偽イェール大学博士」の申貞娥(シン・ジョンア)氏(35)を教授に推薦する前から、申氏の博士学位がニセモノであることを知っていた可能性が高いという指摘が、相次いで提起されている。
これと関連して、「申貞娥ゲート」を捜査中のソウル西部地検刑事1部(白欑河部長)は、卞元室長を近く呼んで、申氏の学位がニセモノであることをいつ知ったのか追及する方針だ。
検察は、卞氏が学位がニセモノであることを知りながら、申氏を東国大学教授や光州(クァンジュ)ビエンナーレ芸術監督に推薦したなら、卞氏を業務妨害の共犯で刑事処罰できると考えている。
14日、文化界関係者やイェール大学同窓らによると、申氏は05年5月、イェール大学で美術史博士の学位を取得したと主張した後、一度もイェール大学の同窓会に出席したことはない。
イェール大学韓国同門会会長を務める辛永茂(シン・ヨンム)法務法人世宗(セジョン)代表弁護士は14日、「同窓会で申氏の名前を聞いたことはなく、当然、申氏が出席したこともない」と話した。会員約400人のイェール大学韓国同門会は、定期会を毎年2回、朝食会を毎月1回開いている。
イェール大学経済学修士出身の卞氏は、比較的同窓会に活発に参加していたという。卞氏が申氏を東国大学教授に推薦したなら、当然イェール大学の集まりにも申氏を連れてきたはずだと、同窓たちは説明する。
あるイェール大学卒業生は、「申氏が、省谷(ソンゴク)美術館のキュレーターを務めた03年から04年に、博士学位の勉強のためにイェール大学に行かなければならないと言って、1月と7月に半月ずつ休暇を取ったというが、同時期に申氏と格別の関係があった卞氏元室長が、1年に2度イェール大学を訪問しただけでは博士学位を取得できないことは、誰よりもよく知っていたはずだ」と話した。
また検察は、卞氏が企画予算処長官時代、申氏の東国大学教授任用の見返りに、大学側に予算支援をしたかどうかについても調べる予定だ。
検察は、卞氏の住まいや自宅、章允(チャン・ユン)僧侶や英培(ヨンベ)僧侶、韓甲洙(ハン・ガプス)前光州(クァンジュ)ビエンナーレ財団理事長らの電子メールのアカウントに対する家宅捜索令状を近く再請求する方針であり、卞氏が大統領府在職当時に使用した業務用コンピューターを引き渡すよう大統領府に要請した。
また検察は、卞氏が企画予算処長官に在職していた05年、企画予算処が申氏から2000万ウォン相当の美術品2点を購入した事実を確認し、時価よりも高く美術品を購入したかどうかを確認中だ。さらに、企画予算処以外の別の政府省庁でも、申氏から美術品を購入した事実があるかどうかも調べている。
検察は、申氏が米国に出国する直前、卞氏との通話にだけ使用した他人名義の携帯電話の内訳も追跡している。






