予見された通りだった。バリー・ボンズ(43、サンフランシスコ、写真)が8日、ホームラン新記録を立てたが、米国現地のマスコミの反応は冷ややかだった。「スポーツイラストレイティド」は、「トリック?多分。恥?確実に(Sham? Maybe. Shame? Definitely.)」という露骨な見出しのコラムを掲載した。ケーブルチャンネルのESPNだけが試合を生中継した。それも視聴率は1.1%にとどまり、6日、トム・グラヴィン(ニューヨーク・メッツ)が300勝を達成した時(3%)より低かった。3倍近く多くの視聴者が史上初の大記録より歴代23番目の記録を見守った。
表向きの理由は、ボンズがステロイドを服用したという疑惑のためだ。756本のホームランの中で相当数が「薬物ホームラン」であるため、記録そのものが無意味だということ。ボンズの「気難しい」性格も記録が歓迎されない上で一役買っただろう。しかし、このような理由だけでは最高の記録をこき下ろすに十分でない。
マーク・マグワイアが70本で単一シーズン最多ホームランを記録した1998年。マスコミは彼の一挙手一投足を追いかけ、地上波放送のフォックステレビはマグワイアが従来のロジャー・マリスの記録の61本に近づいた時から毎日試合を生中継した。当時、マグワイアは五輪の禁止薬物である筋肉強化剤のアンドロスティンディオールを服用していて、多くのマスコミでもこれを知っていたが、彼は引退後、ステロイド服用の疑惑が浮上した後も、相変わらずヒーローとしての待遇を受けた。
ベーブ・ルースは乱れた私生活でたくさんのトラブルを起こして、性格も傲慢だったが、いまだ最高のホームラン王と言われている。マグワイアとルースは白人だ。黒人のハンク・アーロンは1974年、ルースの記録を破る時、たくさんの白人から脅されていた。殺害すると威嚇されもした。
5月、米国のある世論調査の結果、ボンズのホームラン新記録に反対する人は52%だった。黒人からは75%の支持を受けたが、白人は28%のみが賛成した。
ボンズは2004年、ボストンのあるマスコミとのインタビューで、「この都市はあまりにも人種差別がひどく、ボストンでプレーする考えはない」と露骨に話して、議論を巻き起こした。決して従順な選手でないため、多くの白人のファンが彼に背を向けた。
小学校時代、学校でただ一人黒人だった「ゴルフ皇帝」タイガー・ウッズは、白人の同級生らによって木に吊るされる痛みも経験した。このような人種差別が勝負根性を育てて、ウッズはみんなに認められるスターになった。しかし、ゴルフと違って大リーグにはずば抜けている白人の選手も多く「親切な」黒人スターも多い。ボンズがウッズのようになりにくいわけである。
ボンズの疑いは、まだ立証されていない。「無罪推定の原則」は守られるべきだ。ボンズ個人を嫌うのは自由だが、彼の記録は尊重されるべきである。
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