ピム・ファーベーク監督が辞任を宣言したことから、次期監督の選任作業に取り掛かった大韓サッカー協会技術委員会が、「洪明甫(ホン・ミョンボ、38)カード」をめぐり苦心を続けている。
22日から行われる2008年北京五輪最終予選を指揮する五輪代表監督に洪明甫コーチを選任する問題で最後の意見調整に入ったが、31日も結論に至らず、1日に再び集まることにした。
技術委員会の悩みは、経験豊かな監督に任せ安定的にチームを運営するのか、それともスター性とカリスマ性を兼ね備えた「若手」の洪コーチを内部昇進させ新しい跳躍の機会にするのかで選択をしなければならないことだ。
現在としては、後者に重みが加わっている。洪コーチは昨年から五輪代表を指導し、選手たちをよく把握しているので連続性を保てるうえ、2006年ドイツW杯から、ディック・アドフォカート監督とファーベーク監督の下で、成人代表のコーチとして多様な経験を積んでおり、無難だとの判断だ。
ドイツが2006年W杯を控え、監督経歴のなかった当時42歳のユルゲン・クリンスマンを監督に抜擢して成功したように、「洪明甫カード」が韓国サッカーに新しい風を吹き入れることも可能という計算だ。クリンスマン監督は果敢な世代交代で、ドイツをW杯3位に導いた。
このような雰囲気がかもされると、これまで「洪明甫はまだ若すぎる」と言ってきた協会指導部も、「洪コーチ個人には大きな負担かも知れないが、『危機はチャンス』でもあるから、スター監督に育てるいい機会になるかもしれない」と判断している。これには、若い指導者に機会を与え成功すれば、韓国の他の指導者たちも希望を持つことができるという計算も入っている。
「辞任したファーベーク監督と一緒に代表チームを去る」と言った洪コーチも、「私が必要なら、五輪チームを引き受ける容易もある」という方へ考えを改めた。
五輪最終予選の組合わせが韓国に有利であることも、「洪明甫ード」に力を加えている。韓国はバーレーン、シリア、ウズベキスタンなど比較的負担のないチームと一緒にB組に属している。
一方、李ヨンム技術委員長は同日、「五輪代表監督は、国内指導者の中から選び、国家代表監督は今年の下半期には大会がないので、今後、論議することにした」と述べた。
yjongk@donga.com






