政府が韓米自由貿易協定(FTA)交渉の妥結直後に打ち出した国内の補完対策は、直接現金を配るやり方が主となっている。内容が新しくなければ、被害の大きい部門に「支援を増やす」といった「税金配達員」の役割にとどまっている。
韓国の経済を牽引してきた情報技術(IT)産業はこの2年間、成長の伸び悩みと実績悪化に苦しんでいる。新しい成長エンジンを見つけなければならないという根本的な課題を前にして、FTAに対する期待感がさらに高まった。このような状況だけに、政府のFTA補完策は経済パラダイムの変化と社会システムの再編を誘導する内容であってしかるべきだ。
しかし、いざ発表されたFTA支援対策は、農業と水産業の被害を直接補填する直払金か構造調整のための廃業支援金を支援する内容がほとんど全部だ。関連省庁がずっと前からしてきたことの二番煎じだ。そのため、「敗者復活戦のための育成策でなく、葬式費用の支援だ」といった酷評まで出ている。
韓悳洙(ハン・ドクス)首相は、「農業に119兆ウォンを投資・融資する事業を04年に作ったが、支援が不十分な場合、増額も検討しうる」と述べた。しかし、農民の反発を防ぐために税金をばらまくやり方は、「骨折り損のくたびれもうけ」に他ならない。構造調整の効果を出せなかったり、農家の負債ばかり増やす支援方式を繰り返してはならない。
品目別の競争力を引き上げて、農漁業の体質を根本的に強化する戦略だけが農村・漁村を生き返らせることができる。畜産も米国産牛肉との価格競争をするのは現実的に厳しいが、国内の韓牛が高品質で勝負に出れば、大量飼育する米国産と競争できるはずだ。規模を育て高付加価値で勝負すれば、農業分野も希望がある。政府の支援対策はまさに農業の競争力の向上に集中されなければならない。
FTAが最大限成功を収めるためにも、困難に追い込まれる部門や疎外階層に対する配慮は欠かせない。だからといって、現金を配るのでなく、構造調整の効果を担保する支援で、彼らが自ら立ち上がるようにすべきだ。韓米FTAは成長エンジンを回復して、構造調整を促進して、経済体質を強化できる土台だ。創意、競争、効率を重視するFTA補完策が求められる。






