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[オピニオン]割れたガラス窓

Posted February. 07, 2007 07:05,   

都市の郊外に窓が何枚か割れたまま放置された空き家がある。子どもたちが投げた石に当たって割れる窓が増え、結局まともな窓が一つもないところまで至っている。不良青少年とホームレスの人たちが集まり、空き家はルンペン宿に変わる。引っ越す人々が増えつつ、町内はスラム化し犯罪地帯になる。反対に割れた窓を変えておくと、これ以上割れる窓がなく、犯罪も発生しない。犯罪学者のジョージ・ケリングとキャサリン・コールズのいわば「割れ窓理論」だ。

◆ニューヨーク警察は犯罪の天国と呼ばれたニューヨークの治安問題を解決するために、1990年代にこの理論を行動に移した。建物の落書きや地下鉄のただ乗り、もの乞いのような秩序を乱す行為を取り締まれば、犯罪も減ると考えた。実際にニューヨークの犯罪は1991年から持続的に減少した。暴力事件はこの12年間75%も減少した。1990年に30.72件だった人口10万人当りの殺人事件は2005年は6.57件へと、1963年以来の最低数値を記録した。今ニューヨークは、米国の10大都市の中で最も安全な都市に挙げられる。

◆ニューヨークの犯罪が減少したのは「割れ窓理論(Broken Windows Theory)」のためではないという反論もある。経済成長により50万人の雇用創出、人種葛藤の減少、住居環境の改善、堕胎の合法化で犯罪の可能性の大きい私生児が減ったのが本当の理由というのだ。それでも「割れ窓理論」の適用によりニューヨーク市民の秩序意識と遵法精神が大きく向上したのは、否定できない。

◆国内ではソウル江南区(カンナムグ)と京畿道坡州市(キョンギド・パジュシ)がニューヨークの例を取り入れている。江南区は昨年10月から不法駐停車、吸殻のポイ捨て、不法広告物の付着など「小さいけれど悪い」法規違反を集中的に取り締まり、秩序のある魅力的な都市作りを試みている。このような「些細な違反を正してこそ大きな秩序が確立する」という理論を実践すべき所は、中央政府だ。過激な労働団体と左派勢力の都心での不法デモのようなことに厳しく対処するどころか、政治権力から法を軽んじる行動をよく見せているからだ。

權順澤(クォン・スンテク)論説委員 maypole@donga.com