菊のパン(回転焼きの一種)に菊がなく、タイ焼きにタイがないというが、一昨日準備委員会の発足式を行った「進歩連帯」には真の進歩はないというのが、我々の判断だ。親北反米性向のいわば民族解放(NL)系列を中心に構成された進歩連帯の面々を見てみると、韓米自由貿易協定(FTA)と平沢(ピョンテク)米軍基地に反対する暴力デモに常習的に関与した統一連帯、韓国大学総学生会連合のような団体が大挙網羅されている。この団体は北朝鮮がミサイルを発射し、核実験をしても北朝鮮の首領独裁を熱烈に支持する勢力だ。
もともと進歩というのは、平等と福祉を重視し、その実現手段として国の介入を強調するものだ。もちろん、だからと言って自由と経済成長の価値を否定するわけではない。進歩が言う平等も機会の平等であって、社会経済的な結果まで同じでなければならないという機械的な平等主義ではない。
進歩と保守は国利民福のために競争しながらも、お互いに補完し合う概念だ。世界で一番大きい米国市場との貿易障壁をなくして、我が経済を豊かにする韓米FTAは進歩の理念に反するものではない。暴力を振るって主張を貫こうとする闘争のやり方も進歩とは程遠い。
それなのに北朝鮮の首領独裁に盲従しつつ、大韓民国の正統性を否認する守旧親北左派がいつからか進歩の仮面をかぶって幅を利かしている。彼らは大量破壊兵器の核までも北朝鮮が作ると支持しながらも、北朝鮮の住民が飢え死にして、人権弾圧に悩まされていることに対しては目向きもしない。それでも進歩勢力だと名乗る。フランス流の左派でもなければ、中国流の左派でもない。世界で類を見ない別種の左派であり、真の左派の名を汚す似非(えせ)の左派であるだけだ。
朴世逸(パク・セイル)韓半島先進化財団理事長、美しい財団の朴元淳(パク・ウォンスン)総括常任理事など保守進歩の関係者らは昨日、和解と共存を誓う新年の会合を開いた。彼らは違う考え方と主張を尊重し、どのような場合でも暴力的・不法的な集団行為は容認しないと約束した。
しかし、このような理念とは異なり、進歩連帯は真の進歩に恥をかかせている。北朝鮮の世襲独裁を褒め称え、北朝鮮体制の庇護を受けながら、自分たちが暮らしている大韓民国を分列させて暴力で脅威する団体が「進歩連帯」だとすれば、辞書の単語の意味を書き直さなければならなくなるだろう。






