全孝淑(チョン・ヒョスク)憲法裁判所裁判官の憲法裁所長任命同意案処理問題が、15日に開かれる国会本会議の最大の争点に浮上したことで、政界や学界では、これに対する違憲問題が再び論議されている。
問題は、任期途中に憲法裁裁判官を辞任した全候補を再び裁判官に起用し、任期6年の憲法裁所長に任命することが、憲法の規定と精神に沿うものかということだ。
▲違憲・違法論議は解消された?〓当初、盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領は、裁判官を辞任した民間人の身分の全候補を憲法裁所長に任命するとして、国会に任命同意を要請した。
これが違憲だという論議が起こるや、憲法裁裁判官の任命のための人事聴聞会の手続きも踏むよう国会に要請した。現在、国会では聴聞会の期限が経過したことで、大統領が任意に裁判官を任命しても構わない状況になったというのが、与党の主張だ。
与党ヨルリン・ウリ党は、全候補を裁判官に任命すれば、「裁判官の中から憲法裁所長を任命する」という憲法手続き問題が解消されるため、15日の本会議で憲法裁所長任命同意案を処理する考えだ。
しかし野党ハンナラ党は、憲法上任期が決まっている公職者を途中辞任させ、再任命することは違憲だとし、盧武鉉大統領が全候補を裁判官に任命すれば、直ちに憲法訴訟を起こす構えだ。
▲「次期大統領の人事権侵害」〓憲法学者たちは、概して違憲問題が提起される可能性が高いという論理を説いている。国民の基本権に該当する法律の条文は、拡大解釈の原則が適用されなければならないが、国家組職や権力に関する問題は、非常に厳格に解釈されなければならないというのが、多くの憲法学者たちの論理だ。
弘益(ホンイク)大学の韓秀雄(ハン・スウン)教授は、「大統領が全氏を辞任させ、再び憲法裁裁判官に任命するなら、これは次期大統領の裁判官任命権に対する重大な侵害にあたる」とし、「全氏を任命した瞬間から憲法違反だ」と述べた。
憲法が、裁判官と憲法裁所長の任期を6年と規定したのは、任期5年の大統領が在任期間中、一度だけ任命権を行使するようにしたためだが、大統領任期末に特定の裁判官を辞任させ、再び任命すれば、次期大統領は任命権を一度も行使できなくなるという論理だ。
東国(トングク)大学の金サンギョム教授は、「大統領が自分の任期末に、気に入った裁判官をすべて辞任させ、再び任命する場合、憲法裁裁判官たちは大統領の意思によって任期が増えることもあり得るため、結果的に裁判過程で大統領の影響を受けるほかない」としつつ、「このように悪用される素地を遮断するためにも、憲法の裁判官任期規定を厳格に解釈しなければならない」と強調した。
▲「辞任した裁判官の再任命は憲法精神に反する」〓金サンギョム教授は、「憲法裁裁判官を連任できるようにしたのは、裁判の連続性のためであり、これは任期が満了した者に限って適用されなければならない。欠員にまで適用はされないと解釈すべきだ」としたうえで、「全氏のように途中辞任した場合、再び裁判官になることはできない」と述べた。
明知(ミョンジ)大学の許営(ホ・ヨン)教授は、「大統領が、全氏を裁判官のまま憲法裁所長任命の同意を求めたのなら何の問題もなかったが、全氏の任期を延長させようと辞表を出させたために、問題が起こった。憲法裁所長は裁判官の中から大統領が任命するという規定を歪曲し、任期を延ばそうとしたことが、基本的に問題だ」と指摘した。
成均館(ソンギュングァン)大学の金炯盛(キム・ヒョンソン)教授は、「全候補が自ら辞表を出した後、6年任期の憲法裁裁判官に再び任命されることは、正常な手続きではない」と述べた。
西江(ソガン)大学の林智奉(イム・ジボン)教授は、「憲法がこれに関し明確に規定していないため、論議が生じ得るが、少なくとも憲法の精神に反する。例えば、最高裁長官指名で3年務めた後、大統領任命で再び6年務めれば、9年の任期も可能だが、これは憲法裁裁判官の任期を6年と規定した憲法の精神とは異なる」と述べた。
▲「職権上程も違法の素地」〓ウリ党が、憲法裁所長任命同意案を国会議長の職権で本会議に上程することも法に抵触する素地があると、憲法学者たちは指摘した。
許栄教授は、「人事聴聞会法第9条は、正当な理由なく審査経過報告書を採択しなければ、国会議長が職権上程できると規定しているが、全氏の憲法裁所長任命同意案の人事聴聞会審査経過報告書を採択しないのは、正当な事由がある場合に該当するため、職権上程の対象ではない」と述べた。
金炯盛教授は、「全孝淑憲法裁所長候補に対する人事聴聞会を行なったが、これは法的な要件を備えていない状態で行われたもので、有効と見ることができるか疑問だ」とし、「違憲論議が再び提起される可能性がある」と主張した。
この問題は、法的に白黒つけられる事案ではないという主張もあった。
林智奉教授は、「職権上程の要件が抽象的なので、主観的に解釈される余地が十分にある」と指摘し、延世(ヨンセ)大学の金鍾鉄(キム・ジョンチョル)教授は、「憲法裁判官の空席という事態を解決しなければならない国会が、自ら問題を作って法的な領域に事を押しつけている」とし、「国会も憲法解釈権を持つのだから、国会が解決しなければならない」と主張した。
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