景気低迷が続いているというのに不動産市場のほうは過熱している異常な現象の根本的な原因は、政策決定者が左派的イデオロギーにとらわれ、市場と無謀な駆け引きをしてきたためといっても過言ではない。市場の需要供給に関する深慮なしに、ソウル江南(カンナム)地域の不動産景気を冷やすための階級論理なアプローチや、懲罰的性格の強い重い課税、規制一辺倒の政策が政府の失敗拡大をもたらした。
政府は昨日、盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領が主宰した不動産政策会議で、住宅の供給拡大の道筋を示すと発表したが、政策を信頼する国民が多くないために市場安定につながるかは疑問だ。昨年の8・31対策の立案者たちは、「住宅は公共財としての性格が強い」として市場経済に反する税金爆弾と規制をむやみに施行した。需要の抑制だけに気を取られ、江南地区周辺に新都市を造成したり、再開発・再建築の規制を緩和するなどの供給政策をないがしろにしてしまったのだ。
板橋(パンギョ)新都市の建設にあたっても、実際の市場需要を無視したまま庶民住宅を増やすという左派路線の政策を展開し、江南地域の中大型マンション価格を押し上げる結果を招いた。マンションの原価公開や分譲価格の規制も、名分こそもっともらしいが、市場経済に反するものであり、既存の高級住宅の価格高騰をあおる可能性が高い。
左派路線に基づいた企業政策も大きな問題だ。権五乘(クォン・オスン)公正取引委員会長は、「三星、現代自動車、SKグループなどは個人が所有しているものの、国民の企業だ」と述べ、環状型循環出資の規制を強化する方針を明らかにした。権委員長は国民企業論の論拠として「大企業グループが失敗すれば、国が公的資金を投入する必要があるためだ」と語った。
コーポレート・ガバナンス(企業統治)は、世界的にみても唯一と言える正解がない。国民企業を自負していた起亜(キア)自動車は、職員と労働組合のモラルハザードが深刻になった結果、企業全体が不良化し、巨額の公的資金がつぎ込まれた。
グローバル企業に成長している三星(サムスン)については、社会の一角でけん制の声が聞こえているが、三星こそ世界的な競争力を備えている企業だ。外国の専門家たちは「オーナーがはっきりしており、機敏で大胆な投資決定ができるため」三星の成功神話は可能だったと分析している。
公取委が循環出資への規制を強化すれば、大企業グループは外資の敵対的買収合併(M&A)に無防備にさらされるため、経営権を守るべく新規投資を渋るようになる。結局、国民企業どころか、「海外の投機資本の食い物」になる恐れがある。
無能でありながら、反市場・反企業を掲げるなまじっかな左派路線を固執する傲慢が、経済をさらに悪化させる政府の失敗要因であることを、今にでも悟るべきだ。






