検察がカナ出版社の200億ウォン規模の横領および脱税の容疑を確認したにもかかわらず、本格的な捜査を進めなかったことが16日、明るみに出た。同出版社の金ナムジョン会長(44)は、盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領が所有していたミネラルウォーター会社の「長寿泉(チャンスチョン)」を買収した金ナムギョン氏の実弟だ。カナ出版社は、ベストセラーの「漫画で読むギリシア・ローマ神話」を出版した。
▲検察捜査の内容〓東亜(トンア)日報が単独入手した検察の捜査記録によると、ソウル中央地検調査部は、金会長が借名口座を利用して、△現金35億ウォン、△個人小切手の振り出しなど50億ウォン、△借名口座から借名口座への振り替え127億ウォンなど、計212億ウォンの会社資金を出金した事実を確認した。
検察は、3ヵ月間の口座追跡で金会長の業務上の横領容疑をつかみ、昨年2月、金会長を呼んで資金の使途を追及したが、金会長は「全額、取引資金に当て、個人的な流用はなかった」と主張した。
金会長は、調べを受けた際、「使途を立証する根拠資料を後に提出する」としたが、捜査後、領収証などの根拠資料をまともに提出していなかったという。金会長は特に、借名口座から現金で引き出した35億ウォンについては、「使途を立証する資料がない」と話した。
しかし、検察は金会長に対し、被疑者尋問調書だけを作成した後、追加捜査や使途が解明されていない秘密資金への追跡を行わないまま、昨年2月、事件を終結処理した。
金会長はまた検察で、「利子所得が増えれば課せられる総合所得税が増えるため、借名口座に資金を分けて管理し、売上高を実際より少なく計上するため、現金を使った」と脱税容疑を認めたが、検察は国税庁に通報するなどの通常の処置も取らなかった。
検察は、現代(ヒョンデ)と斗山(トゥサン)グループなどの秘密資金事件の捜査では、借名口座で管理されていた会社の秘密資金の使途を追跡し、問題のある関係者を贈収賄や政治資金法違反、業務上の横領などで刑事処罰していた。
▲カナ出版社と長寿泉〓盧大統領の所有だった長寿泉は、経営悪化で倒産し、01年5月、シン某氏が2億2700万ウォンで落札したが、02年10月、カナ出版社の金会長の実兄、金ナムギョン氏が約11億ウォンでシン氏から買収した。
しかし、このように所有者が2回も変わったのに、長寿泉の代表取締役は、盧大統領の側近であるソン・ボンスル氏がずっと務めていた。長寿泉を落札した当時、盧大統領と同じく新千年民主党の大田(テジョン)東区支部の副委員長だったシン氏は、その後大田東区役所長の公認候補となり、03年10月には、ヨルリンウリ党へ党籍を変えた。金ナムギョン氏は、慶尚北道星州(キョンサンブクド・ソンジュ)出身で、民主国民党の星州支部委員長を務めた。
▲検察が捜査に乗り出した理由は?〓検察の捜査は00年11月出版された「漫画で…」の印税問題をめぐって著者が04年7月、金会長を詐欺の容疑で訴えたことが発端となった。出版社が本の販売量を大幅に縮小発表して数百億ウォン台の売り上げを隠し、数十億ウォンの印税を払わなかったというのが著者側の主張だ。
その後、あるマスコミ社が04年11月、カナ出版社の「秘密資金」と長寿泉の買収過程に関する疑惑を提起すると、金ナムギョン氏はそのマスコミ社を名誉毀損の容疑で検察に訴えた。
名誉毀損事件の捜査で、検察は金会長の業務上横領容疑をつかんだが、金ナムギョン氏側が昨年初頭、名誉毀損の告訴を取り下げると、検察は業務上横領容疑についても終結処理した。
金会長は「現金35億ウォンに関する疑惑など、すべての疑惑について検察できちんと答え、すっきりと解明された」とし「これ以上言うことはない」と述べている。
当時、捜査を担当したK部長検事は、「借名口座で管理された資金捜査のため、専従チームをつくって口座追跡を行うなど、かなり長い間捜査を行った」とし「借名口座で管理されていた資金全額の使途を確認したわけではないが、横領とみるべき根拠がなかった」と話した。
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