キャンプ・ケイシーに勤める米軍たちの休日だった5日午後、京畿道東豆川市保山洞(キョンギド・トンドゥチョンシ・ポサンドン)観光特区。
ここで約30年間、米軍を相手に商売をしてきた保山洞の商店街繁栄会の金デヨン(52)会長は、私服姿の米軍を見てため息をついた。
「ろくな産業施設もない東豆川では、あの人たちが生産施設と言っても過言ではない。確かな対策もなしに供与地が返還されるなんて、出るのはため息だけだ」
「在韓米軍供与区域の周辺地域等支援に関する特別法」の施行令が発效した4日後。全国の米軍供与地の79.6%が集中する京畿道北部の住民たちの間では、期待と不安が交錯する。
故郷が「基地村」のイメージを払拭することは喜ばしいが、数十年間、米軍だけに寄りかかってきた地域経済が、果たして供与地の返還で回生できるか心配されるためだ。米軍の駐留で数十年間、地域発展の機会を喪失した各地方自治体は、開発計画をどのように推進するかによって、再び格差が広がる恐れもあると緊張している。
▲地方自治体の財政規模によってため息と期待が交錯〓東豆川市は内部で、返還供与地を大学や産業団地、ゴルフ場などに変貌させるという計画を立てている。しかし、問題は金だ。
東豆川市が国防省部から買い受ける土地は、約595万坪にのぼる。地方自治体が買い受けた供与地を公共用に開発すれば、政府が最高80%まで買入費用を支援するというが、年間予算が約1700億ウォンレベルの東豆川市にとって、推定買入費用3兆500億ウォンは、はなから手の出ない金額だ。
供与地を買い受けるために、ただでさえ不足している道路や鉄道を整えることもできなくなる。金会長は、「道路も整備されず、周辺の環境も良くないのに、市の構想どおりに大学を誘致すると言っても、どの大学が来るだろうか」と反問した。
産業団地と宅地開発が活発な坡州市(パジュシ)は、東豆川市よりも事情がましな方だ。市が買い受ける返還供与地の面積も50万坪ラインと小さい。市は11日、専門機関に依頼して、具体的な開発案を講じる計画だ。
議政府市(ウィジョンブシ)は、都心のど真ん中に位置するキャンプ・ラガーディアとキャンプ・フリングウォーターに、道路を開設し公園を造成する計画だ。これが実現すれば、数十年の間問題だった都心の交通渋滞が大きく緩和される見通しだ。しかし、74万坪のキャンプ・スタンレーは大半が開発制限地域のため、返還されても開発が難しい。
京畿道の盧承哲(ノ・スンチョル)企画行政室長は、「龍山(ヨンサン)基地は国庫で支援するが、京畿道は劣悪な自治団体が財源を調達しなければならないので、困難が伴う」としつつ、「どうせ10年以上かかる事業であるため、長期計画を立て、後れた地域が発展できるようにする」と述べた。
▲供与地返還が生む葛藤〓供与地の返還は、該当の地域にだけ不安を生むのではない。中央と地方、地方と地方の競争と反目の要素も抱えている。
首都圏以外の地方では、供与地の返還地域に対する政府の支援が「首都圏規制緩和」につながるムードに、非常に敏感だ。特に、先端業種を中心に大企業の工場増設が可能で、首都圏整備計画法上の工場総量制の適用も排除するという点に、非常に敏感に反応している。
特別法の提示どおり、中央政府が地方政府を支援する費用をどのように調達するのかも未知数だ。当初、企画予算処が供与地の買入費用の20%だけを支援することを強く主張した点からも、実際の予算が法案規定の上限ラインである80%まで支援されるかどうか、予測不可能だ。東豆川市が買い受ける土地の買入価格3兆500億ウォンの20%だけを政府が負担するとしても、6000億ウォンを上回る。
いっぽう京畿道関係者は、「供与地の購入費用だけでなく、開発事業、開発に必要な道路などのインフラ施設の拡充事業も、国家レベルの大々的な支援が切実だ」としてさらに多くの支援を求めており、中央政府との葛藤を予告している。
金文元(キム・ムンウォン)議政府市長は、「安保のために米軍の駐留に耐え、犠牲になった地域に対し、国家レベルの大々的な支援がなければならないのは当然だ。他の地域より支援が少なければ、住民たちは我慢できないだろう」と述べた。
地方自治体間の開発競争をどのように調整するかも越えなければならない山だ。坡州、議政府、東豆川市のいずれもが大学誘致を内部で推進しているが、現実的には1ヵ所も誘致が難しい状況だ。
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