金大中(キム・デジュン)政権末期にある実力者は、プライベートな席で、「我々にレイムダック(権力の漏水)というのはない。離れる日まで大統領が人事権を行使できるからだ」と述べた。盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領の参謀の間でも似たような認識が表出されてきた。どの政権であれ、末期に入ると、レイムダック対策と政権誕生に貢献した関係者に気を使う。これはコインの両面と似たような側面がある。政権創出の功労者を任期内に一度も配慮しないと、不満が累積されて内部からレイムダックがもたらされかねないからだ。
◆このごろ、大統領人事首席秘書官室には履歴書が積もっているという。政権の任期が1年しか残っていないため、政府与党の関係者が猫も杓子も自分の分け前を占めるため、人事ロビーをしているということだ。特に、厚い年俸で仕事は楽な政府傘下機関や公企業の機関長、または監査の席を狙っている者が多いという。このようなポストは、人事首席室の検証を経るため、大統領府と無関係とは言えない。政権創出の貢献度と忠誠度、コードが人事のバロメーターになっているもの無理でない。彼らの「内在的なアプローチ」から見れば。
◆野党ハンナラ党の朴宰完(パク・ジェワン)議員によると、現政権発足後昨年末まで、天下りで政府傘下機関と公企業の役員になった人は282人に達する。政治家出身が134人、官僚出身が148人だ。天下りを防ぐとして今年公募した92の機関長のポストのうち、42が政府与党の政治家と官僚出身が占めた。わざわざ法律で公募制を義務付けた趣旨が色あせてしまう。
◆天下りは専門性の欠如に加え、特定コードに合わされているため、組織の効率性と透明性を害する。組合員は「天下り」の人事が行われると、出社阻止などで反発するが、これは「お餅」をさらに要求するシグナルだ。結局、天下りと既存の組織員は国民にさらなる負担を抱かせる妙手を探し出して妥協する。盧大統領は5月、公共機関長の人事と関連して、「大統領の人事権が制約される不便を甘受してでも、経営効率性の向上を期する」と述べた。やはり言葉が実際よりもっともらしい。
李進寧(イ・ジンニョン)論説委員 jinnyong@donga.com






