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[オピニオン]直言参謀

Posted May. 06, 2006 03:06,   

1970年代半ば、すでにフォード政権で米国・ホワイトハウス秘書室長と国防長官を務めたラムズフェルド米国防長官の「ラムズフェルドのルール(Rumsfeld’s Rule)」は、参謀論の金科玉条に数えられている。その第一の項目は、「大統領に悪口を浴びせると思えるほど直言する勇気がなければ、直ちに辞任しろ」ということだ。歴代大統領の補佐経験を箴言形式で整理した彼の規則は、一文一文実感できる。「忙しく動き回れ」、「世の中を味方と敵に分けるな」、「大統領に悪いニュースを伝えろ」…。

◆この直言に関して見るかぎり、盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領の参謀たちは落第点だ。「ラムズフェルドの規則」をひっくり返せば、ぴったりと合う。直言を言ってもいいところを、「朴正熙(パク・チョンヒ)は高校の校長、盧大統領は大学総長」、「大統領は21世紀に、国民は独裁時代に住む」、「国は盤石だ」など、聞くだけでもきまりの悪い「盧飛御天歌」を振り撒いた。厳密に言えば、すべての職務遺棄をしているわけだ。

◆盧大統領の責任はさらに大きい。大統領は昨年の「連立論政局」の時、「世論とかけ離れている」という参謀たちの直言に「私の考えがわかっていない」と言って、いらいらした。就任当初は、直言する一部参謀に「あなたは名門大学を出たからそうなのだろうが…」と述べた。このようなことが繰り返され、参謀たちは口を閉ざすようになった。さらに盧大統領は一昨日、新任の大統領秘書官たちに任命状を与えながら、「参謀が耳となり、顔が広く、直言しなければならないという通説は、『情報洪水』の大衆メディア時代には合わない」と一線を引いた。

◆盧大統領の心の中には、インターネットを通じていつでも世論と情報に接することができるという自信があるようだ。しかし、インターネット時代であればあるほど、情報の確認検証が必要だ。年間25億件のページビューを誇るオンライン百科事典のウィキペディアが、昨年末、ユーザー登録とともに掲載された情報を徹底的に検証することにしたのもこのためだ。玉は3つでも糸に通してこそ財宝になる。顔色をうかがって曲言する参謀なら、情報を歪曲して大統領の状況判断を誤らせるだけだ。

李東官(イ・ドングァン)論説委員 dklee@donga.com