マイクロソフト(MS)のビル・ゲイツ会長は、コンピュータ運営システムのウィンドウやソフトウェア事業で世界最高の富を築いたが、事業が常に順調だったわけではない。市場の独占や特許侵害の容疑で会社が終わりの見えない訴訟問題に巻き込まれたからだ。ゲイツが難関を乗り越えるうえで参考にした本の一つが「孫子兵法」だという。2500年前の中国の春秋戦国時代の兵書が、21世紀の先端企業家にも立派な戦略のガイダンス書になったわけだ。
◆米国が孫子兵法に関心を持ったのは、韓国戦争を経験してからだという。世界最強の米軍が、中国共産党軍に一時苦戦するや、米国はその原因が「孫子兵法」にあると信じるようになり、その後『孫子兵法』は軍人と戦争研究者の必読書になったというのだ。1991年の湾岸戦争を勝利に導いたノーマン・シュワルツコフ将軍は、「孫子の知識を実践しただけだ」と言っていた。最近でも米国の書店では、「孫子兵法」関連本の『The Art of War by SunTzu』をよく目にする。
◆米国を訪問中の中国の胡錦涛国家主席が、ブッシュ大統領に「不戦而屈」の知恵が入った孫子兵法をプレゼントするや、香港メディアが報じた。「不戦而屈」は、「百回戦って百回戦うのが最善なのではなく、戦わずして敵を屈服させることが最善だ(百戦百勝 非善之善者也、不戦而屈之兵 善之善者也)」という孫子の『謀攻篇』の内容だ。胡主席が敢えて「孫子兵法」をプレゼントに選んだのは、米国の一方主義を皮肉るためだという解釈も出ている。
◆胡主席は18日、シアトルのMS本社を訪れた時、「米中の友好は永遠に変わらない(美中友好 万古常青)」という揮毫を残した。夕方には、ゲイツ会長宅で開かれた夕食会にも主席した。この席で「孫子兵法」の話が出たかは確認されていない。中国側が希望したホワイトハウスでの晩餐がなかったのは、胡主席の訪米が、国賓訪問(state visit)ではないためだという。米中関係が果たして「万古常青」になるかどうかは見守ることだ。
韓起興(ハン・ギフン)論説委員 eligius@donga.com






