韓明淑(ハン・ミョンスク)首相候補に対する国会人事聴聞会が今日開かれる。与野党いずれも先入観と党利党略を捨て、韓氏が果たして大韓民国の首相に相応しいかどうかを検証することを望む。韓氏が首相になれば、国家競争力の向上と国民の性格の向上にためになるのだろうか。近代化と民主化以降の国家進路が不透明であるだけに、国民はもっと知らなければならない。
与党は、韓氏の能力と資質を問うことに対して、「両性平等に逆行する時代錯誤的な行為」とし、過去の行為と思想を取り上げれば、「理念攻勢だ」と逆攻勢する。このような行動こそ、社会運動式の薄っぺらな検証封鎖の手法であり、国民をごまかす策である。
韓氏の夫は、1968年に「統一革命党スパイ団事件」で13年間の刑務所暮らしをした。本人も、79年に北朝鮮放送の聴取などが問題になった「クリスチャン・アカデミー事件」で、2年間の実刑を受けている。ならば、その時の思想が今も有效なのかどうか、どのような考えで北朝鮮放送を聞いたのか、国民は明確な回答を聞かなければならない。
韓氏は、北朝鮮の核や人権に対して「親北朝鮮自主派」に近い立場を見せ、非正規職問題では組職労働界の声を反映してきた。これを「在野生活30年の産物」として当然のことと考えるのではなく、その思想的軌跡を問い、今後の国政にどのように投影されるのかを見定めなければならない。このような検証に対して「冷戦思考」を持ち出す勢力こそ、アイデンティティに疑念を抱かざるを得ない。思想問題だけでなく、韓氏は、子息軍補職請託疑惑、健康保険偽装加入疑惑などを受けている。このような疑惑も指摘しなければならない。
韓氏の「夫への内助」自体は、純愛かもしれない。韓氏の印象はソフトに感じられる。しかし、このような感性的な評価だけですべてを覆うことはできない。首相職を遂行する指導者の国家アイデンティティに対する信念、主要政策に対する所信、そして国政遂行能力は、国運と直結する事項であり、愛や感性の領域とは別ものである。今回の人事聴聞会が形式的な手続きであってはならない理由である。






