ビデオアートの先駆者であるとともに、韓国の産んだ世界的なビデオアーティストの白南準(ペク・ナムジュン)氏が29日(現地時間)、米国で他界した。享年74歳。
家族たちによれば、故人は午後8時頃、米フロリダ州マイアミにあるアパートで、夫人の久保田成子氏と看護婦が見守るなか息を引き取ったという。
故・白氏の甥でありマネージャーでもある白ハクダ氏は同日、死因について「自然な原因(natural cause)」と述べた。白氏は1996年、脳中風で倒れてから、長い間闘病生活を過ごしてきた。
葬儀は、ニューヨーク・マンハッタンのフランクカンベル葬儀場で執り行われる予定で、葬儀の日時は未定。
「電子芸術のミケランジェロ」とも呼ばれる白氏は、ビデオアートという新しい芸術分野を開拓した先駆者と評価されている。ビデオアーティストの他にも、マルチメディアアートの先駆者、行為芸術家、作曲家としても活動し、20世紀文化の地平を1段階高めた人物として、国際社会に広くその名を知られた。
1932年にソウルで生まれた白氏は、日本の東京大とドイツでの修学後、欧州と米国で実験的な芸術活動を繰り広げた。特に1963年、ドイツで初の個展『音楽の展示——電子テレビ』を開き、ビデオアートの創始者として世界美術界の注目を受けた。
白氏は脳中風で倒れ、体の左神経がマヒした後にも創作を続けた。04年10月には、闘病生活以後初めて、ニューヨーク・マンハッタンで9・11テロ犠牲者を追悼するため、『メタ9・11』を自ら公演した。
1977年に結婚した日本出身の夫人成子氏も、やはりビデオアーティストで、二人の間に子女はない。
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