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[オピニオン]「セマウル」と「千里馬」

[オピニオン]「セマウル」と「千里馬」

Posted January. 20, 2006 04:53,   

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1970年春に始まったセマウル(新しい村作り)運動は、発展途上国の農村開発、地域の均衡開発、意識改革のための農村近代化運動で「漢江(ハンガン)の奇跡」を成し遂げるのに重要な土台となった。世界的にも有名で、東南アジアや中東アフリカなど70カ国余りがこの「成功モデル」を学びに韓国を尋ねた。北朝鮮は1956年末、集団増産運動である千里馬(チョンリマ、労働強化)運動を始めた。しかしこの運動は私有財産を認めない体制的限界のため、経済を発展させることに失敗した。

◆ところが、国内の高校教科書のうち金星(クムソン)出版社が発行した『韓国の近現代史』は、千里馬運動に対して「(北朝鮮の)社会主義の経済建設に大きな役割を果たした」と肯定的に記述している。一方、セマウル運動に対しては「実際は政府が主導しており、朴正煕(パク・ジョンヒ)政権の維新体制を正当化するのに利用された」と酷評する。他の中高校教科書も朴正煕時代の高度成長をけなして、反共独裁、貧富格差のような副作用だけを浮上させている。李承晩(イ・スンマン)元大統領の国家建設努力に対しても、「政権の正当性確保レベル」で誹謗しながら、金日成(キム・イルソン)の反対派粛清は権力欲ではなく「我がスタイルの社会主義建設」と美化する。

◆朴孝鍾(パク・ヒョジョン)ソウル大学教授は、「一部の教科書は現代史で一番重要な建国と産業化、民主化をエピソード程度に取り上げて、『分断』を過度に強調している」と指摘する。彼は「憲法に劣らず重要で、予備市民を対象にした教科書に『偏った記述』が多いのは問題だ」と心配する。偏った見方を記述した教科書であるほど、全国教職員労働組合所属の教師の密かな支援によって、学校で教材に採択される場合が多いと言う。

◆学校が教科書のみで教えるのではないことが幸いだ。ソウル・オグム高校では、社会科のクォン・ジェウォン、ハム・ソンシク教諭などが経済の現場学習をする。ハム教諭が運営する「経済ツアー班」には、20人余りの生徒が参加して毎月1回以上、企業や市場、デパート、研究所などを訪問する。生徒の金ウンジさんは感想文に「三星(サムスン)電子を見て、帰りの車の中で製品デザイナーになりたいという夢を持つようになった」と書いた。北朝鮮の生徒たちはどこで何を見て、何を感じるのか。

洪権憙(ホン・グォンヒ)論説委員 konihong@donga.com