財界が国家人権委員会(人権委)の国家人権政策基本計画(NAP)勧告案や改正私立学校法など、一連の政府政策の方向に対し、前例にない批判の声を高めている。現政権が発足して以来、ほとんど声をあげていなかった経済団体が、人権委の勧告案に共同で対応することを決めるなど、尋常でない動きを見せている。
趙健鎬(チョ・ゴンホ)全国経済人連合会(全経連)常勤副会長は12日、今年初の全経連会長団会議の結果を記者団に説明し、「人権委のNAP勧告案は、自由民主主義の秩序を損なう恐れがあり、これまで政治的な考慮のため、財界が積極的に意見を出すことはひかえてきたが、これからは経済団体が緊密に協議して対応していく」と、会長団の考えを伝えた。
趙氏は4日、経済界の新年会の場で、盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領が「財界の皆さんの前で弱音を吐くしかない」と述べたことに対しても、「親企業環境を作るということではなく、分配優先の政策を施行しようということなら、方向が間違っている」と、聞き方次第では「不敬」に近い発言もした。見守っていた全経連職員らは、「聞いていたわれわれもびっくりして胸が震えた」とし、「全経連創立以来、最も強力な対政府発言だった」と口をそろえた。
これに先立って、韓国経営者総協会(経総)と大韓商工会議所も人権委の勧告案に対して、「自由民主主義と市場経済秩序の根幹を丸ごと揺るがすもの」とし、「法治主義を毀損し、憲政秩序に挑戦する措置だ」という強硬な発言を行った。
全経連のある幹部は、「以前は短い声明や報告書を繰り返し発表して、政府政策に不満を示すのが精一杯だった」とし、「通貨危機直後、政府が推し進めた大規模事業の対等交換(ビッグディール)の時も、これほどの雰囲気ではなかった」と述べた。
財界が前例になく、政府政策を批判するのは、政府・政界・社会の一部で現れている進歩主義の偏向に対して危機感を感じているためと分析される。特に経済問題ではなく、国家保安法、私学法、公務員の政治参加など理念的な事案にまで「体制守護」を持ち上げて反発するのは、「度を過ぎることがあっても守るものは守る」という意志を表現したものと見られる。
金栄培(キム・ヨンベ) 経総副会長は13日、本紙との通話で、「経済問題まで人権というバロメーターで見ようとすると、(これは)『平等主義』にしようということしかならない」とし、「今回の人権委の勧告案は確実に度を越したものだ」と述べた。
金副会長はまた、「現政権は政権初期より理念的な幅が大きく、片方に偏っている」とし、「これまで静かに見守ってきたが、これからは経済5団体が協力しながら積極的に対応していく」と付け加えた。
事案別に微妙な意見の食い違いを見せたり団体間の主導権争いをしてきた経済団体が共同対応を打ち出したのは、財界でも異例のこととして受け止められている。
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