「米国から航空機を輸入してきた韓国が、これから輸出を目指しています。ほら、見てください。T−50にどれだけの人々が熱い視線を送っているか」
アラブ首長国連盟(UAE)のドバイで開幕した「ドバイ・エアーショー2005」(20〜24日)の最終日の24日。全完基(チョン・ワンギ)韓国航空宇宙産業(KAI)輸出担当部長は、ドバイ国際空港の南端展示場のVIP席手前に展示された国産超音速訓練機T−50(一名乗込み用、ゴールデン・イーグル)を指差しながら、高揚した表情で説明していた。
T−50は、KAIが1997年から約2兆1000億ウォンを投じて米ロッキードマーティン社と共同で開発し、今年8月に量産第1号機を生産した国内初の超音速訓練機だ。先月初め、韓国空軍に引き渡しており、07年から空軍の高等訓練飛行に本格的に投入される予定だ。
40ヵ国から550社が参加したドバイエアーショーには、70機あまりの飛行機が滑走路に沿って展示された。T−50と競争しているイタリアのM−346、チェコのL−159、スイスのPC−21、パキスタンのK−8なども出展された。
その中でも、T−50の前では記念写真を撮る観客の足が絶えなかった。操縦席に直接座ってみる人も多かった。一部の観客はT−50周辺で取材している記者に「どの国の飛行機か」と質問するなど高い関心を見せた。
現在、T−50を買う可能性が一番高い国はエアーショーを主催したUAEだ。ハリド空軍参謀総長は21日、T−50に直接乗った後、「とても良い飛行機だ。非常に満足だ」と話した。
UAEは25日、T−50を空軍飛行場に移して2週間、飛行能力をテストする予定だ。07年から交代が始まるUAE空軍の高等訓練機の次期モデルとしてT−50を精緻に点検するためだ。UAEは60機のT−50を購入する意向があるものとされている。
T−50の価格は、1機が230億〜250億ウォンと競争している他の会社より少し高めだが、性能の面では大きく上回っているという評価を受けている。特に一番強力なライバル会社であるイタリアのM−346が、今回のエアーショーの途中での機体欠陥などで2度も試験飛行の問題を起こし、韓国には有利な状況が作られている。
しかしKAIの関係者は、「航空分野では、韓国の国際的な知名度はまだ低いのが現状だ」とし、「T−50の最終的な購入決定は来年になって分かることなので、今から喜んでも仕方ない」と慎重な見方を語った。
空軍とKAIは、イスラエルとギリシアに対してもT−50の販促活動を行っている。また、T−50を攻撃が可能な戦闘機A−50に改造する作業も行われている。
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