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[オピニオン]断食

Posted November. 19, 2005 08:28,   

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陰鬱だった権威主義時代、断食は野党のリーダーが最後にとることのできる政治的抵抗手段だった。1983年5月、金泳三(キム・ヨンサム)元大統領は、2年間続いた全斗換(チョン・ドゥファン)政府の政治的規制や家宅軟禁に対抗し、23日間断食をした。当時はマスコミへの統制が厳しく、海外では大きく取り上げられたこの断食について、韓国国内のマスコミは「ある政治家の食事問題」という表現にとどめた。金大中(キム・デジュン)前大統領は平民党(ピョンミンダン)総裁だった1990年10月、地方自治制の実施や内閣制の放棄を求めて13日間断食を続けた。

◆政治闘争のやり方として断食は効果がある。何より短期間で世間の関心を引くことができる。そのためか。最近でも政治家の断食は後を絶たない。ハンナラ党の崔秉烈(チェ・ビョンリョル)前代表は2003年11月、盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領が大統領の側近に対する特別捜査要求案を拒否したことに抗議し断食に入った。全在姫(チョン・ジェヒ)議員は今年3月、行政都市特別法の可決に対し、抗議の断食をした。また、コメ批准案の国会可決を阻止するための民主労動党の姜基甲(カン・ギガプ)議員の断食が今日で24日目となり、YS(金永三元大統領)の記録を塗り替えた。

◆今度は、中部圏を支持基盤とする新党、国民中心党の鄭鎮碩(チョン・ジンソク)、ヨルリン・ウリ党の宣炳烈(ソン・ビョンリョル)、梁承晁(ヤン・スンジョ)議員が断食者の仲間入りをした。行政都市特別法に対する違憲の可否決定が迫っているなか、憲法裁判所を圧迫するためだという。彼らは全員、忠清(チュンチョン)地域の出身だ。そのため、いかなる名分を掲げても結局は地元の選挙区を意識した「選挙向け」としか考えられない。写真付きの電子メールや携帯メールなどを通じて断食を積極的にピーアールしているのも見え透いた行為だ。

◆断食はもともと、宗教の修行や健康管理が目的で行われる。政治目的の断食はもう古い。自由な意思表示が抑圧されていた時代の断食は感動的だったが、いまや効果的ではない。政治的・社会的な解決手段にもなりえない。しかし、依然として議員たちは法を制定する国会を「汝矣島(ヨイド)断食院」にさせており、それは進化のない、時代遅れの方法としか言いようがない。彼らの旧態を繰り返させないためにも、断食禁止法なるものを作らなければならないようだ。

宋煐彦(ソン・ヨンオン)論説委員 youngeon@donga.com