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[オピニオン]過去の政権の功を守る

Posted August. 23, 2005 03:28,   

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「これからは、国の頼もしい元老として、国政安定の丈夫な屏風として、指導してくださることを望みます」。与党ヨルリン・ウリ党の田炳憲(チョン・ビョンホン)スポークスマンは21日、金大中(キム・デジュン)前大統領の退院を受けて、「手厚い論評」を出した。単なる希望程度で終わったなら、前職国家元首に対する礼遇だと考えられるが、論評の要旨はそうではなかった。「真相究明を通じて、本末転倒した政局を正し、金大中前大統領と国民の政府の業績に傷をつけないようにします」。一体、これはどういう意味か。

◆実際のところ、盗聴政局で本末を転倒させたのは、盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領とウリ党である。国民の政府でも不法盗聴が行われたという国家情報院(国情院)の発表があった後、金大中前大統領が突然入院し、全羅道(チョルラド)の民心が騒ぎたつや、盧大統領から言葉を変えた。盧大統領は7月末、国情院の報告を受けた後、発表指示を出して徹底的な真相究明を約束しておきながら、18日のマスコミの政治部長団との懇談会では、「国情院の発表の意味が拡大解釈されて、当惑している」と引き下がった。

◆ウリ党も然りである。金前大統領が「心の病」を病んでいるとされるや、党首脳部がこぞって陳謝使節に乗り出した。田スポークスマンは、「金大中前大統領を傷つけて、ウリ党と参加型政府に得られるものがあるのか」とも述べた。問題は、大統領と政権与党が国情院に矛先を向けるようなこのような態度が、検察の盗聴事件の捜査に影響を与える恐れがあるという点だ。

◆先週、国情院を家宅捜索した検察は、前職の国情院長や次長などを召喚して取り調べる予定だという。これに対抗して、金大中前政権下で国情院長を経験した人たちが、潔白を主張する会見を準備中という話も聞かれる。このような状況で、与党のスポークスマンが、「金大中前政府の業績が傷つかないようにする」と言うことは、いくら考えても適切ではない。前政権の業績を傷つけようとする者は誰もいない。功過をはっきりさせようとしているのだ。顔色をうかがって、過ちを覆い隠すことは、功までも傷つけることになる。

宋大根(ソン・デグン)論説委員 dksong@donga.com