北朝鮮サッカー協会は16日、国際サッカー連盟(FIFA)が決めた06ドイツW杯アジア地域最終予選B組の北朝鮮−日本戦(6月8日)の「無観衆、第3国であるタイ・バンコクでの開催」処分を受け入れると発表した。
李カンホン北朝鮮サッカー協会副書記長(42)は同日付の日本スポーツ紙「スポーツ日本」との単独インタビューで、「思ってもなかった重い懲戒に憤慨したが、国際情勢を勘案し、FIFAの決定に従うことにした」と言った。
しかし、北朝鮮側が素直にFIFAの重い懲戒を受け入れた実際の台所事情は他にあるという見方もある。
日本チームの戦力が優勢という分析が出ている状況下で、もし試合に敗れたら、北朝鮮は内部的に大きな政治的負担を持つようになるからだ。
数千人の日本人が平壌(ピョンヤン)の真ん中で、それも抗日戦の英雄として奉られている故・金日成(キム・イルソン)主席の名を付けた金日成競技場の北朝鮮住民たちの前で勝利を歓呼したら、北朝鮮は自尊心に痛恨の傷を残すに違いない。北朝鮮体制の特性上、これはW杯に出場できないこと以上に深刻な問題だ。
しかし、北朝鮮はFIFAの決定を素直に受け入れたわけではない。
北朝鮮サッカー協会はFIFAの決定に異議を申し立てる文書を締め切り時限の5日をわずか2日控えて発送した。文書は9日、FIFA規律委員会に到着し、異議申し立ては自動棄却された。
自尊心もある程度立てながら、政治的負担も減らし、いわゆる二兎を得たわけだ。
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